と、とと、とにかく落ち着こう
説明?回です。
ふわっとお読みいただきたく…
自分のステータスにツッコミどころがありすぎて、そして私は途方にくれる…くれてる場合じゃないってばよ!
しっかりしろ自分!
今はまだ、元の場所に帰れないんだから、ここで生活の基盤を確立させねばならぬのだよ!
良し。ちょっと落ち着いた。
とりあえず、自分のステータスを見直そう。
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名前:エンリ
年齢:23
レベル:1 冒険者ランクG
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年齢がおかしいけど、そこは今問題じゃない。後回しだ。
レベルも冒険者ランクも一番下だ。当たり前だ。
ここまでは良しとしよう。
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HP:10,000
MP:10,000
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なにこの適当な数値。
これって平均…な訳ないよね?
熊に追いかけられた時、体も軽いし息切れもあまりしなかったし…。
よし。ここからオル様に質問タイムだ。
オル様は先程から無言だ。私のステータス見えてるよね?
「オルさ…オル殿、このHPとMPって…」
「俺はレベル90超えているが、HPは12,000くらいだ」
「おぅ…ふ」
森野えんり、人外説が浮上して参りました。
もう次いってみよう。次。
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魔法:空間魔法、錬成魔法、召喚魔法
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「空間魔法って、アイテム入れられたりとかするやつですかね?」
「ああ、他にも空間をつなげて、遠い場所に一瞬で移動出来るな」
「おお!便利です!」
「だが、この国でも使える奴は一人しか知らねぇ」
「おぅ…ふ」
「召喚魔法は精霊とかモンスターとか使役して召喚する魔法だな。錬成魔法は…聞いたことねぇな」
「……」
これはもう、キツいっすわ。
チートっていうか、オリジナリティー溢れるっていうか…もう次にいきたくない。
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加護:渡りの神、ガイアの神
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「加護って…」
「俺も多神の加護を受けてるが二神も珍しい。エンリの加護の神は変わってるな。ガイアなんて聞いたことねぇし」
ガイアって、たぶん地球の神だよね…もう何なのよ…
「うう…この『渡りの神』っていうのは?」
「ひとつ所に留まらない、世界を渡る神らしいな」
なんですと?
なんか私がここにいる元凶って、その『渡りの神』ってやつの所為では?
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称号:渡りの神子姫、神々の愛し子
適正職業:結界師、錬金術士、オルフェウス・ガードナーの生涯のパートナー
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「この称号って…私、神様に愛されてるんですか…」
「神子は、神の声が聞こえるって話だぞ」
「そんな声は聞いたことないっす…あと…この適正職業…」
オル様からミシッという音が聞こえた。
音は足元から……ひぇっ!!オル様の足元の床にヒビが…ヒビがぁっ!?
そりゃそうだわ。そうなるわ。
こんなちんちくりんが、高潔なる騎士オルフェウス・ガードナーの生涯のって…恋人とか妻とかでしょ?
や、嬉しいですよ?鼻血が出るくらい嬉しいですよ?
でもさ、こんな正体不明女の意味不明な適正職業で「生涯のパートナーです(はぁと)」って言われてもね。怒りしか湧かないでしょうて。
しょぼん。
「ま、まぁ、エンリのステータスが異常だという事が分かった」
「…ハイ、もう役人につき出すなり、なんなりとしてください…」
「なんでそうなるんだよ!仮にも俺のパ、パ、パートナーとか出てるんだろ!?」
オル様の顔が真っ赤です。おじさまなのに可愛いという事案発生。
「エンリのステータスを王都の魔法使いに見てもらおう。性格はともかく腕は確かだ」
王都!!王都ですか!!
魔王との決戦の場は王都だったのよね!!
オルフェウス様にも会えたし、『銀髪の勇者シリーズ』の舞台になった所に行けるなんて……ちょこっとだけ、渡りの神とやらに感謝してやろう。うん。