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某王国のスタッフ的な存在

無謀にもアルファさんのファンタジー大賞に応募したため、更新するチキンな私(笑

まずは水晶化している美女巫女さんの浄化をして、水晶から出す。

どうやったのかというと、クラウス君に空気清浄機をイメージしてもらい、水晶に魔法陣を組み込んで邪をハイペースで吸わせたのだ。物作り大国日本の勝利(?)だ。

私も結界を張って集落を浄化する。これくらいなら私にも出来ると思ったら出来た。オルは呆れたように「規格外にはもう慣れた」と言いながら私の頭を撫でる。

呆れるか褒めるかどっちかにして欲しいものだ。もちろん褒める方を推奨だけどね。


ツナギを着た美男二神は、サクサク山の浄化作業の準備を始めた。

イメージとしては某王国の清掃スタッフの感じだ。飛び回ってさささっと祓い清めている。

ちなみに某王国ではスタッフではなく出演者と呼ぶそうだけど、ここでは関係ない話だし色々危ないから気をつけよう。うん。

まさか山を丸ごとやるとは思っていなかった美女巫女さんは、口をあんぐり開けたまま放心状態だ。

いや、あなたも協力しなきゃだよ?

白竜の竜族である白いツノとまっすぐな白い髪の美女巫女さんは、和服のスリット入りまくりの際どい衣装で、グラマラスな体を惜しげもなく晒してへたり込んでいる。そんな美女巫女さんを見ていたクラウス君は、マイコちゃんに容赦なく目潰しの魔法をかけられている。痛いタイプの。


『御方、準備が整いました』

『巫女を介し、山の中枢に祓い清める力を注ぎましょう』


「分かったわ。ほら美女巫女さん大丈夫?」


「す、すまぬ。あまりの事に驚いてしもうた」


なんとか持ち直した彼女は、早速山の中枢へ意識を向けていく。

さすが巫女という位に就くだけあって、スムーズに事が進んだ。穢れを祓う神力を上手く山の中枢に届け、そこから地脈を通って邪の力を祓い清め、浄化していく。

祓いと浄化は違うように思えるけど、なんとここで衝撃の事実。

この二つを組み合わせた結果が、驚異のスピードで水晶化から復活した美女巫女さんだ。

こう、頑固な汚れを浮かすのが『祓う神力』で、汚れを落とすのが『浄化の水晶』みたいな。ダブルのパワーでお掃除ラクラクってヤツだ。

美男二神がツナギを着ているのも伊達じゃないって感じ。


あと途中でツナギの上を脱いで腰で縛って、上半身裸はご褒美だったのかしら……汗だくでにっこり笑顔を向けられて、お姉さんクラクラしちゃいましたよ。

そしてオルの上腕筋と胸筋に包まれた挙句、耳元バリトンボイスで囁き攻撃(内容は割愛させていただきます)が、私の体力と平常心を根こそぎ奪っていったのでした。


……疲れた。


兎にも角にも、山を綺麗にしてクラウス君が二神と同じ方法で、巫女経由で結界を張った。

魔法陣を刻んだので、永続的に清浄な状態でいるだろうとの事。あとは美女巫女さんがクラウス君からもらった空気清浄機っぽい魔法陣を、コツコツと水晶化した竜族一人一人に刻んでいくそうだ。

そしてその刻んだ水晶を持ち歩けば、山の外でもポータブル清浄機になるとのこと。なんて便利なんだ。技術大国日本の勝利(?)だよね!


「それにしても、灰色はどこから魔王の遺産を手に入れたのかな」


「国で管理している魔王関連のものが外に出た形跡はないよ」


私の素朴な問いに、クラウス君は神妙な顔で答える。

そうかぁ。

ん?


「ねぇ、魔王ってさ、倒したじゃなくて制したって言うのは何で?」


「何でってお前……あ、まさかアイツ……」


オルが渋い顔になって、何か思い当たったようだ。その時、クラウス君の影からマイコちゃんが叫ぶ。


「皆さん!ギュンターさんから風の伝令が!」


全員が、私の喚んだ二神もがマイコちゃんに注目する。見られることに恐怖を感じると言っていたマイコちゃんは構わず続ける。


「エルトーデから緊急の知らせが各国に流れたとのこと!竜族の反乱に備え協力を仰ぐ……と!」


竜族の……反乱?

巫女以外が全員水晶化している、竜族が反乱を……?



「「「はぁ!?」」」








お読みいただき、ありがとうございます。

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