表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/71

日本のベッドは異世界人に厳しい

家族で近所の焼肉屋で、特上のお肉で乾杯する。

オルはたくさん食べるから最初は遠慮してたんだけど、お父さんが威厳を見せるべく大盤振る舞いをしたおかげで、全員お腹いっぱい食べれた。きゃっほい。

オルがこっそりお母さんに金貨を渡していた。金は異世界のでも価値が変わらないらしく、お母さんはニコニコ受け取って「結婚式を豪華にしましょう」って言ってた。さすがお母さん。


今日は泊まるってなって、オルはお父さんと一緒に晩酌してる。私は部屋でオルの布団を敷いていた。私のベッドはセミダブルだけど、オルが寝たら足が飛び出しちゃうんだよねぇ。

そういえば、クラウス君のことを気にしてなかったけど大丈夫かしら?

魔法で連絡取るって……あ、ケータイ。オル持ってるのかな?


「クラウスも実家で泊まれるらしいぞ」


「おかえりオル、お父さんの相手ありがとう。クラウス君は無事に再会出来たみたいだね」


「アイツ隠してたけど、ずっと苦しんでいたからな。あ、エンリ、たまにはこっちに戻るだろう?クラウスとかも一緒にいいか?」


「もちろんだよ!また来て、みんなで旅行とかしようよ!こっちの人が異世界に行くのは体が変わっちゃうからダメだけど、ミラさんとかも紹介したいし。オルの家族でしょ?」


「ああ、そうだ。ありがとうエンリ」


お礼言わなくても、当たり前なのにさ。

私はオルの嬉しい顔をたくさん見れるなら、どんな事でもしたいんだよ。


「ほう、なら早速俺に嬉しい事をして貰おうか?」


「ちょ、なんでまた心を読むのよ!」


口の端を片方上げて、ニヤリと妖しく笑むオル。

ネクタイをグイッと緩めて、シャツのボタンを上を二個ほど外す。ぐっと盛り上がる胸の筋肉は強烈な色気を放ち、私はすっかり当てられて頭がボーッとしてしまう。


……はっ!!


「危ない危ない!オル、お風呂入ってきな!日本の風呂文化に屈伏するがいい!」


「……チッ、もう少しだったな」


「ほら、背中流してあげるから!」


「……(風呂もアリか)……分かった、頼む」


なんか一瞬寒気がしたような気がしたけど、今ここにある危機を回避した事にホッとする私なのであった。

…………もちろん、今日がこれで終わる訳がなかった。










チュンチュン…

チチチ…


ああ、知ってる天井だ…

久しぶりの日本。久しぶりの家。

そして鍛え抜かれた筋肉に包まれる私。


「……!!!!」


またしても上半身裸で寝ているオルに、一晩すっぽり包まれていたらしい。

朝日にきらめく大胸筋様にスリスリしてやる。匂いもくんかくんか嗅いでやる。頑張った私へのご褒美だ。


「……おい」


「む、起きたのかねオル君」


「何がご褒美だ?」


「ふむ、分からないのかね?朝日にきらめく鍛え抜かれた筋肉を愛で、頬でスリスリして感触を確かめ、匂いを嗅いでうっとりとする、この私の気持ちが!!」


「そうか、分かった」


「え?分かったの?」


マジか、オルも変態の要素があったのかな?私は自覚してるけど、無自覚だと危険じゃね?


「よぉく分かった。成人男性の朝に可愛い顔で体に擦り寄ってくる女は、俺を煽ってるという事がな!」


「はあぁ!?」


え、ちょ、ちが、そうじゃな…………おかあさーーーーーん!!

ノックが鳴る。


「オルさん、エンリ、起きてる?朝ご飯できたわよ」


お母さんがドアの向こうから声をかけてくれた。

ああ!さすが母!ハレルヤ!


「お前、なんか今日本の神を差し置いてなかったか?」


「な、何故それを!?……てゆか、オルはなんで時々私の考えてる事が分かるの?」


「分からねぇけど、もしかしたら俺のステータスが変わったせいかもしれねぇな」


「どこか変わったの?」


「加護に『エンリ・モリノ』って追加された」


……。



…………。



………………………にゃああああっ!?





お読みいただき、ありがとうございます!

筋肉の表現力を磨く修行に出たい…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ