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初クエストまで長くて…ごめん

周りの生温かい視線と嫉妬や好奇心の目にさらされながら、結局私達はギルドに戻りパーティの申請をした。苗字はもちろんモリノですよ。エンリ・モリノですよ。

だって…だって…オルが「プロポーズはちゃんとしてぇから」なんて、そっぽ向いて真っ赤な顔で言うんだもん。オルおじさまが可愛すぎてヤバい。


「よし、まずは弱い魔物の討伐クエストをやって、エンリの能力確認とレベル上げだな」


「はい!!」


「冒険者に必要な物資の調達は教えるから、しっかりおぼえろよ。独り立ちはさせねぇが、冒険者として学ぶことは必要だ。絶対一人にはしねぇけどな」


ふふ、オルったらそんな何度も言わなくても、私がオルから離れることは絶対に無いよ。

オルに呆れられないように、しっかり頑張ろう!


「呆れても俺はお前から離れねぇからな!」


うぉぅ!また私の心の声が聞こえてたっぽい!何故に!?

焦る私を見てオルがニヤリと笑う。ちょ、男の色気!!自重!!


「まったく…クエスト前にお仕置きだな」


「お、お仕置き……」


震える私は軽々と抱きかかえられ、そのままギルドの個室に連行されてしまうのでした……ぐふっ。







「よし。ここら辺で良いだろう」


「はぁぅぅぅ……」


クエスト『スライム五匹討伐』のため、王都周辺の平原を歩く私とオル。

ただし、私は先程のお仕置きのせいでヘロヘロなんですけどね。まったくもう。

どこか肌ツヤの良くなったオルを恨めしげに見つつスライムを探す。って、スライムって草原にいるのかしら?もっと湿った所にいるんじゃないの?


「エンリの魔法でスライムを見つけられるか?」


「えっと…探す…探す…」


召喚魔法は二つ。巫女服幼女シナトベと、コウシン…リスザルみたいな子が出てきた。可愛い!

コウシンは探し物が得意みたい。風の神様シナトベと組むと広範囲で探索できる…と、私のオタク脳が言ってる気がする。


「二神を呼ぶとは…やるなぁエンリ。クエスト終わったらご褒美だな」


「ご褒美!何にしようかなぁ…」


ニコニコしてると、オルが無言で震えてる。ん?どうしたのかな?真っ赤になって??

ふわっと優しい風がふく、シナトベとコウシンが戻ってきた。


「人の子エンリ、件のモノを見つけた。案内するぞ」


「ぷるぷるしたのがいたよー」


肩に乗ってきたコウシン。そっと頭を撫でるとキキッて嬉しそうに鳴いた。可愛いなぁ。

コウシンの案内でスライムを見つけ、それをシナトベが風の刃で倒す。

スライムは倒すと「核」が残る。それをギルドに持ち帰ると討伐証明になると、オル先輩から教えてもらった。うぃっす。


「うぅむ。魔法のおかげで楽ちんだけど、なんかズルしてるみたいでやだなぁ」


「それで良いじゃねぇか。女なんだし無理することはねぇだろ」


「でも、やっぱりちゃんと戦いたい。オルだって一生懸命戦ってきたんでしょ?私もそうやって強くなりたい。オルと一緒にいる資格が欲しいの」


上手く言えないけど、オルに守られてるだけじゃダメだ。足手まといになるだけだと思う。

オルの物語…オルと一緒に生きるという事、それを真剣に考えようって思った。


「エンリ……やっぱお前はイイ女だ」


「でしょ?」


甘く微笑むオルに、照れて返す私。

スライムを五匹倒しクエスト終了。スライムは色々な場所に生息してるそうで、砂漠にもいるみたい。すごいなスライムの生命力。弱いけど。


「オル先輩、ご褒美に武術を教えてください」


「それってご褒美なのか?」


「当たり前じゃん!伝説の最強の騎士様から直々に教わるって、冒険者なら皆泣いて喜ぶよ!」


「……そうか」


照れて顔を赤くするオルに可愛いって言ったら、うるせぇって怒られたけど、ニヤニヤしながら怒っても怖くないですよ〜。



よし。王都に帰ったら特訓だ!!






お読みいただき、ありがとうございます!

お仕置き…何だったんでしょうね。

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