通達
俺は翌日、無事退院した。何人かの看護師と医者に見送られながら。体の文様の事はだれにも言っていない。特に体に異変は無いし、また入院っていうのも面倒だったからだ。とりあえず今日は家に帰って休むつもりだ。
俺は学校の近くのアパートに一人暮らしをしている。実家も学校の近くだがあまり居たくないから一人暮らしを始めた。
俺は家に入り、荷物を置きコップを取り出してお茶を飲む。
そして、暫くボーッとしていると突然背後に気配を感じて振り向くとそこには見たことの無い男が立っていた。
「・・・・・・誰だお前は。どこから入ってきた」
家の鍵は全て掛かってる。
俺は気付かれないように木刀が置いてあるところに近づいていく。
「・・・・・・」
男は一向に喋らない。俺は木刀を取ると、その男に向かって思いっきり振るう。
が、
男は木刀を掴みそのまま砕いた。
「・・・おいおい、まじかよ」
人間じゃないって事だけは理解した。
すると、
「・・・・・・オマエノ、カラダニアルモンヨウハ、センシノアカシ、オマエハ、エラバレタノダ」
カタコトでソイツはそう言った。
「戦士の証し?何だそれは」
「・・・マタ、ゴレイズトデアエバワカル」
「ゴレイズ?それがあのバケモノの名前か」
「・・・・・・」
男はまた喋らなくなった。
「おい!質問に答えろ!」
そう言って近づくと男はスゥーっと消えてしまった。
「・・・・・・」
俺はただそこに立ち続ける事しか出来なかった。
to be continued.