異変
入学式から一ヶ月。だんだん高校生活になれてきた頃、事件は起こった。
「最近、この辺りで変な事件おきてるよね」
麗奈が弁当を食べながら話す。
「そうねぇ。たしか、体か爛れた状態で見つかってるらしいわね」
おねぇが顔を歪めながら言った。
「弁当食べてる時にそんな話はすんなよ」
「そうだね、ごめん」
そんな話をしていると教室の、というか俺達の隣の窓ガラスが割れた。そして、人の形をしたナニかが入ってきた。ソレは、顔はバッタ、背中には羽、腕と足は二本づつではあるが見た目は虫の足だ。こいつは何だ。そう考えようとした瞬間、ソイツは俺に向かって飛びついてきた。俺は逃げようとしたがソイツはかなり素早く捕まった。そして首すじを噛まれた。
「痛ッ!」
激痛が首すじに走る。
「桜!」
「さっくん!」
噛まれた瞬間、体が焼けるように熱くなり息ができなくなった。俺はそのまま気を失った。
俺は気がつくとベッドで寝ていた。あの世かと思ったが見える天井は真っ白で、鼻にくるアルコールの匂い。間違いなくここは病院だ。自分の記憶を確認して、記憶が無くなってないことを確認する。そして、不思議な事にあの時の焼けるような体の痛みが無くなっていた。どこも痛みは無かった。俺は体を起こして周りを見てみた。病室には俺以外誰もいないようだった。少しそのまま病室を見ていたらドアが開き看護師が入ってきた。
「あら、気がついた?」
「あ、はい」
看護師はそう言うと部屋を出ていき、暫くしたら看護師と医者が入ってきた。その後俺は簡単な触診と質問をされ、明日にでも退院できると言われた。
医者の話によれば今日はあのバケモノに襲われた日のつぎの日らしい。そしてバケモノはそいつを追っていた警察の銃で撃たれ逃げたらしい。つまりバケモノはまだ生きているらしい。そんな事を考えていると病室のドアが開き麗奈とおねぇが入ってきた。
「よぉ」
俺がそんな風に言うと麗奈は泣きだした。
「お、おい。なんだよ。なんで泣くんだよ」
「いや・・・安心して」
「そうよ、もうこのまま目を覚まさないんじゃないかって心配したのよ!」
おねぇまで泣き出してしまった。
「悪かったよ、心配かけて」
そう言うと二人はやっと泣き止み椅子に座り、昨日の事について話をしてくれた。
二人が帰った後、俺が病室で聞いた話をまとめていると、看護師から風呂に入るようにと言われた。俺は一度考えるのを止め、風呂場に向かった。そして風呂に入り鏡を見て驚愕した。
首すじから腹にかけて謎の文様が浮かび上がっていた・・・
to be continued.