プロローグ
桜舞い散る季節。俺、眞野 櫻は今年から入学する高校へ向かっている。少し早く出すぎたのか俺以外に人が居ない。桜の木が並んだ道。去年も見学で来たがやはり壮観だ。そんな事を考えながら歩いていると、俺が通う高校、静蘭高等学校が見えて来た。
校門を入ると二、三年生が新入生の胸につける花を配っていた。同じ一年生の姿も数人見られる。静蘭高校は校庭を囲むように建物がある。正門の真正面に時計塔が見える。今の時間は七時半。入学式は八時半から。新入生は八時までに自分のクラスを確認して自分の教室に行き、担任の先生の指示に従うようにと今もらった紙に書いてある。俺はクラス表の前に行き、自分のクラスを確認する。俺のクラスは・・・・・・あった。二組だ。
俺は校舎の三階にある一年二組に入り、自分の席に着く。時間は七時四十分。まだ俺以外にこの教室の生徒は来ていないらしい。俺は特にする事も無いので校庭で貰ったプリントに目を通す。内容は去年説明会で貰った物と同じものだった。ただ一つ違うのは校長と生徒会長が変わっていること位だった。校長はまだしも生徒会長も変わるってどうゆうことだ?そんな事を考えているとクラスメイトが入ってきた。それから続々とクラスメイトが入ってくる。俺はずっと校庭を眺めてる。すると、
「さくら!」
俺の名前が呼ばれ、呼ばれたほうを見ると女子生徒と男子生徒がこちらに手を振っている。そして、こちらに向かってくると
「おはよう桜。相変わらずムスッとしてるね!」
ちゃっかり失礼な事を言ってきたのはさっきの女子生徒。三崎 麗奈
俺の幼なじみ一号。
「そうよ、そんな顔じゃ女の子からモテないわよ?」
今話しかけてきたのは幼なじみ二号の根室 政信性別は男だが、しゃべり方から解ると思うがオカマだ。その為友人は皆こいつの事をおねぇと呼んでいる。勿論俺も。
「・・・顔は生まれつきだ。どうしようもねぇだろ」
こればっかりは自分でもどうも出来ねぇよ。
「っていうか早く席つけよ」
「解ってるって」
そう言って麗奈は俺の後ろ、おねぇは前に、座った。
「・・・いや、他人の席に座んな」
「さっくん、黒板見てみなさい」
前の黒板を見ると席の場所に名前が書かれている俺の前と後ろはこいつらだった。
「まじかよ」
「これからもよろしくね☆」
麗奈が笑顔でそんな事を言ってやがる。前のおねぇも同じような笑顔だ。
そんな事をしていると担任が入ってくる。これから入学式だ。これからの高校生活、期待は特に無いが幼なじみで楽しくやれればいいななんて思いながら体育館に向かう
to be continued.