第7話
僕は地面に座り火を見ていた。
対面に綺麗な可愛い顔をして頬を真っ赤にしながら角を生やして怒っているエルフと思える女性がいなければ、もっと良いのに。
「頬に赤い跡つけて、考え事しても様にならないわよ?」
女性は荷物から取り出した白いシャツの上に革製と思われるレザーアーマを身につけ、こしには細い剣、レイピア?を腰に佩刀していた。
小説に出てくるエルフと変わらないのか軽装でゴテゴテした装備品は身につけていない。
「不可抗力とは言え、さっきはごめんなさい。」
僕は先ほどの件を謝った。
「僕は黒田亮介。君は?名前教えて貰っていい?」
女性はまだ角を生やしたまま此方に目を向け
「シーリス。見ての通りエルフよ。所で珍しい名前だけど、貴族なの?」
此方では一般的には名字はないのかな?
「いや庶民だよ。偉い人とかも知り合いにはいないしね」
シーリスは此方を見ながら続けて聞いてくる。
「さっきは何をしたの?身体が痺れて動けなくなったけど。あと貴方こんな所で何してるの?」
僕は雷神刀を取り出し見せながら、釣竿が無く、お腹が減ったので緊急で魚を捕る為に刀の雷を利用した事、気がついたらこの森にいて迷った事を話した。
そろそろ魚も焼けてきたので一本を彼女に差し出し、一本を自分に取る。
シーリスは刀を見て、目を見開き何か驚いている。
「此の剣何処で手に入れたの?こんな常時雷を発生させる程強い魔法の武器見たことないよ?」
雷神刀は僕がしていたゲーム中ではSR指定だったが、然程珍しくなかったが、此方の世界では魔法の武器自体が珍しいのかな?なら他の2つと此のコートはどうなるんだろう。
「此の刀は家にあった武器だよ。田舎にいたせいで一般的な事に疎いから色々教えてくれると嬉しいかな。」
取り敢えず異世界から来ましたとか言っても信じないだろうから、田舎にいた事にして、此の世界の事とか教えて貰おうかな。
で、なんかシーリスの目が怖いぐらい怪しんでる目になってる気がする。
「まあ良いわ。貴方、えっとリョウスケはタチの悪いには見えないし。良いわよ。私が知ってる事は教えてあげるよ。」
そうしてシーリスから教えて貰える事になった。