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黒助の異世界戦記  作者: ハル
29/30

第29話

シーリスとラルフさんの試合。

シーリスは得物がレイピアのせいか、自分の武器を使用している。

またレイピアの特性状、まともに打ち合わず、ラルフさんを動きを翻弄しつつ素早く刺突と斬撃で攻めていく。

ラルフさんもレイピアを見てから距離を取らず接近戦に持ち込みシーリスに間合いを簡単に取らせず攻めにかかる。


狼の獣人のラルフさんは間を取ろうとするシーリスに力と素早さで鍔迫り合いに持ち込む。

元来、非力なエルフのシーリスは試合の為封印している魔術無しでは部が悪く、善戦しているが徐々に押されている。

ラルフさんの斬撃をなんとか躱したり、いなしたりしているが背に壁が迫る。

シーリスがなんとか前に出ようと強引に袈裟斬りに斬撃を放つが、読まれていたのか流され、次の瞬間ラルフの木剣はシーリスの首を捉えていた。


「降参」

そう言うとシーリスはレイピアを手放し両手を挙げて降参のポーズを取る。


ラルフさんもすんなりと認め木剣を下げる。

「シーリスはエルフだからな。剣の腕は鍛えた方が良いが、本領は魔術。特に精霊魔術を含めた支援と攻撃、サポートで剣術だろうから訓練だと真価がわかりにくいからな。

まあ、あえて言うならもう少し流し方と刺突を練習しろ。あと追い込まれたからと我武者羅に前に出るな。ちゃんと相手の動きも見ろ。

先の先より後の先もある。」

そう言われるとシーリスもわかっているのか、すんなりと認め頭を下げ

「ありがとうございました。」

と礼を言うと、此方をちらりと見る。


もしかして、僕に戦い方を見せてくれたのかな?


「さて、少し休憩したら、お勉強といこうか。

半刻ほどしたら、建物内の研修室に来てくれ。」

そう言うとラルフさんは背を向けて歩き出す。


「お疲れ様。どう?訓練とは言え他の人との試合は?」

そう言うと面白そうに此方を見るシーリス。


「素人なのは分かっていたけど、やっぱり素人だね。僕はシーリスや武具に助けられているのが実感したよ。

後、さっきの僕に戦い方を見せてくれたんだよね?ありがとう。」

そう言うとシーリスは満足したのか、綺麗な笑みを浮かべる。

「さあ、そろそろ研修室に移動しましょ。」

と、とことこと歩き出す。

僕も直ぐにシーリスの横に並んで歩き出す。


研修室について空いてる席に着き、暫くすると束の用紙を持ったラルフさんが現れる。

此処から5時間程、休憩を挟みながら、魔獣の事、魔術の事、薬草などの種類に着いてなどをラルフさんの経験談を踏まえながら授業がされた。

シーリスは知っている事が多いのか、欠伸を繰り返しながら授業を受けていた。

僕は知らないことばかりで用紙に書かれた内容を理解しようと悪戦苦闘していた。


シーリス曰く

「半分近く外で実物見るか実地しないと覚えにくいのが多い。」

と言っていたが、まあ事実だが、現代日本にいた僕には新鮮で面白かった。


そうして授業が終わる頃には日も暮れて来ており、

「明日は外で実地をするから、遅れないように。」

とラルフさんが閉めて、本日は終了した。

お礼を言って宿に戻るとシーリスとご飯を食べて眠りについた。

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