第16話
ー???sideー
男は静かに豪華そうな絨毯が敷き詰めらるれた通路を歩いていた。
黒を基調としたピシッとした格好に蝶ネクタイ。
誰がみても執事と答えられる格好をしていた。
何か悩みがあるのか、元からそういう顔なのか、眉間に皺が寄り明らかに機嫌が悪そうだった。
男は重厚な扉の前で立ち止まりると溜息ひとつついてから顔を引き締め、ノックをする。
"トントン"
ノックをしてから数秒経つと、扉の向こう側から
「入れ。」
と声が聞こえてきた。
男は静かにドアノブを回すと扉を開け、中に入る。
扉を閉めると、扉同様に高そうな机の上で書類とにらめっこしていた、でぷっとした男が入ってきた男を睨みつけ、
「どうした?」
と聞いてくる。
男、ややこしいので此処から入って来た男は執事と呼びます。
執事は後手に手を組み、背筋を伸ばすと
「獣人国ゼラスの国境の街シルビスに派遣した奴隷狩り部隊が全滅しました。
部隊の者には身分を示す物は保たせておらず、また名の知れた物も居ませんので此方の事がバレる事はありません。」
でっぷりとした男は驚きを隠さず
「幾ら我が領の非合法部隊とは言え、全滅は無いんじゃないか?
あの街には今、彼奴らに抗える部隊や者は居なかったはずだが。」
執事は頷き
「監視用について行った者からの報告によりますと、15ぐらいの子供が突如、巨大な水球を作り出し、其れを我が部隊にぶつけ、次の瞬間起きた閃光が消えると、部隊の者は黒焦げになってたそうです。」
でっぷりとした男は椅子の背もたれに持たれると、
「我が領の事が漏れる事は無いのだな?」
と執事に聞くと、執事は
「はい。」
と短く頷く。
でっぷりとした男は「わかった」と言うと用は無いとばかりに手をしっしと振る。
執事は一礼すると部屋を出る。
でっぷりとした男は窓の方を見ると
「ち、何処の馬鹿だ、邪魔したのは。まあ良い。次の手を考えるか。」
そういうと男はまた書類に目を通し出した。
今年最後かな?
皆様良い年を(^_^)ノシ




