第15話
僕はシーリスと共に建物を回り込み、角のある男性がいる側の建物の陰に隠れて話を聞いていた。
聞いていると頭に血が上り出す。
獣人だから何故下等なのか、見た目が少し人と違うだけの話。
ただそれだけで見下され、虐げられないと駄目なのか。
全てでは無いにしても、ほとんどは家族と静かに平和に過ごしたいだけ。
何も悪い事はしていない。
そう思った瞬間、何かが切れる音がする。
「シーリス、フォローして」
ポーチから雷神刀を取り出し、鞘から抜く。
丁度その時、戦闘が始まろうとしていた。
僕は男たちに意識を強く向け、
「じゃあ貴方達が先に地獄を見てください。」
言うと同時に
「水よ」
一言呟くと男たちの頭上に巨大な水の塊が出現する。
僕はは其れを男たちに向けて落とす。
"ザパン"
水がぶつかり弾け派手な音を鳴らしながら男たち押し流す。
角の人の所までは水が来ていないのを確認すると雷神刀に強めに魔力を通す。
魔力が刀に流れると束の部分にある緑色の宝玉が輝き出し、刀身を這うように"バチバチ"と派手な音を鳴らしながら雷が発生する。
濡れた男たちが此方を見ると、さっき悪態ついていた男が
「いや、やめ・・」
と口にしようとするが、僕は構わず濡れた大地に雷神刀を突き刺す。
"バン‼︎"
と派手な音がすると同時に当たりに閃光が走る。
閃光が収まり目を開けると
黒く焦げた男たちが湯気を上げながら倒れていた。
僕は刀を鞘に収めポーチに仕舞うと振り返り唖然としてたっている男の人に、
「大丈夫ですか?」
そう言うとポカンとしたまま男の人は此方を向いた。
シーリスも何故か呆れた顔で首を振っていた。




