第11話
ちょっとグロい?です。
森が一直線に遮るものなく抜けているせいで、歩くのも苦にならない。
横をシーリスが森が壊された事をよく思ってないのか、周りや足元を確認しながら歩いている。
「何を見てるの?」
僕は怒られるの覚悟で聞いてみた。
「ん〜土の状態とか、精霊力がおかしくなってないか。
貴方が魔法でやっちゃったから、バランスが崩れてないかなと。」
シーリスは答えながら目だけ此方に向ける。
「ごめんなさい」
わざとじゃないにしても自分がした事には変わりないので、素直に謝る。
素直に謝っているのがわかったのかシーリスも強くは言ってこなかった。
「取り敢えず魔法は教えてあげるから、周りに注意する事、良いわね?」
素直に何回も頷く。
そうして雑談をしながら歩いていると前の茂みが揺れおとをたてた。
僕とシーリスは立ち止まり警戒する。
茂みから現れたのは子供よりは背が高いが明らかに人間では無く眉間に皺が寄り耳がエルフみたいに長く違うのは肌の色がどす黒い緑をしていた。
「ゴブリン!」
シーリスが直ぐに反応する。
「ゴブリン?妖精の?」
「一緒にしないで!ドワーフやホビットならまだしも、ゴブリンなんかと同じ妖精属と思われたくないわ!」
ゴブリンは出てくる神話や解釈しだいでまともな妖精だったり、邪神や魔神に仕える悪魔みたいに地球では書かれてたと思うけど、此方では後者らしい。
話している間に10匹程度のゴブリンが姿を現わす。
「援護してあげるから、貴方の力量を見せて。其の派手な剣も飾りじゃないでしょ?」
デュランダルを指差しながら、聞いてくる。
そうして話している間にもゴブリンはギャアギャア言いなが錆びたような剣を抜いて迫ってくる。
初めての戦闘と言うわけでも無い。
昨日は巨大な猪や鹿や兎とかに追いかけ回されたんだ、其れに比べれば。
「わかったよ、じゃあ援護よろしく。」
覚悟を決めて剣を抜きながら前にでる。
シーリスは頷きながら詠唱に入る
「風の精霊シルフよ、風の守りを、彼に」
魔法が完成したのか僕の周りの風が動く。
気にせず、ゴブリンに向かい歩いていく。
矢が飛んできたがシーリスの魔法の守りなのか僕を避けて飛んでいく。
互いの間合いに入る寸前にゴブリンが突っ込んで来て、僕に斬りかかるが僕は余裕で避けながらゴブリンの腹を薙ぐ、上下に分かれたゴブリンは気にせずに右から襲い来るゴブリンに返す刀で刺突でゴブリンの顔を串刺しにして、蹴り飛ばし、反動を利用して、後ろのゴブリンの顔も真っ二つにする。
撒き散らされる血液や体液など触りたいとも思わないが気にならない。
残り7匹。
恐怖心は無く、ただ冷静に物事が見れる。
恐慌状態寸前のゴブリンに歩み寄り、逃げずに襲いかかってくるゴブリンを仕留めていった。
気がつけば戦闘は終わり、通った後には死体が散らばっていた。
シーリスは唖然とてした顔で此方を見ている。
剣を払い、刀身についた汚れを払う。
剣を鞘に収め、シーリスと向き合う。
シーリスと目が合う。
途端に我に返って喜色満面の顔で、
「凄い!凄い!戦いなんかした事なさそうだったから、もっとギリギリの戦闘になるかとおもったわよ。」
本当にいい意味で驚いた顔で微笑んでくる。
「後其の剣も名のある剣だと思うけど街中では仕舞いなさい。目立ち過ぎて、狙われるわよ。街に着いたら、武器屋か鍛冶屋で適当な剣でも見繕って腰に付けとけば良いわよ。武器の力を借りなくても、貴方の力量なら大抵は勝てるわよ。」
そう言うと和かに前に進み出す。
「さあ戦利品を集めたら街に早く向かいましょう。まだ全然進んでないんだから。」
そう言うと死屍累々の方に移動しようとして、酷い惨状にげんなりしたシーリスがいた。




