第10話
夜が明け、夜中にシーリスと交代して眠ってだいたい3時間程眠れたと思う。
シーリスは考え事をしてるのか焚火を見ながらぼーっとしている。
「おはよう」
挨拶をするとシーリスは驚いたように顔をむけ、起きたのを確認して、
「おはよう、よく眠れたみたいね」
朝日がシーリスの綺麗な金髪に反射して、神話の女神の様に見え、少しの間見惚れていた。
怪訝に思ったのか、首をひねりながらシーリスが
「どうしたの?」
と声を掛けられ我に返って、何でもないと返す。
起きて身支度を整え、水筒を取り出し水を口に含む。
出来ればお茶かコーヒーが飲みたいが無いものは仕方ない。
水筒をポーチに仕舞い、剣を腰に引っ掛け、準備万端。
「シーリスは此れからどうするの?」
出会ったばかりで、一緒に行こうと言う勇気も度胸もないので聞いてみる。
「取り敢えず貴方は街に行きたいんでしょう?」
シーリスも動く準備が出来たのか動ける体制を取る。
頷く僕に、シーリスは可愛い笑顔で
「なら案内してあげるわよ。ほったらかして迷子になられても目覚めが悪いし
」
驚く僕を尻目に焚火に砂をかけ消火して、此方に向き、
「ほら行くわよ」
と昨日僕が作った"道"を進み出す。
僕も慌ててその後を追い掛ける。
シーリスの綺麗な笑顔に陽の光が祝福するかの様に優しく僕らを照らす。
いきなり此の世界に飛ばされて不安だったけど、なんとかなりそうだ。
元の世界に帰る方法も探さなきゃいけないし、やる事は多いけど、取り敢えず歩き出そう。
そう決めて僕は歩き出した。
やっとプロローグが終わりました。
リョウスケの旅が始まります。
のんびりと楽しんでもらえれば幸いです。




