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第一話
「此処は何処?」
鬱蒼とした森の中にぽつんと一人の少年が佇む。
見渡す限り樹齢何年か分からない樹々が聳え立ち、樹々の足元にも少年も大して知識がある訳では無いが、見た事が無い種類の草花が生い茂っていた。
少年の前後には辛うじて動物が通った後なのか道とも言えない道が出来ており、獣道なのが見て取れる。
少年は自分の周りを見回し、何処に自分が居るのか確認しようとしていた。
周りを見回ししている時に足に何かが当たる感触がするので足元を見ると革製の高そうなウェストポーチと手紙が一通置いてある。
風は気持ちいい程度には吹いているが何故か飛んでいかず、足元から離れない。
少年は悲嘆に暮れながら空を見上げ。
「だから此処は何処?」
事の始まりは少し前まで遡る。