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黒の波動を携えて  作者:
プロローグ
2/58

プロローグ 2

 広くも狭くも無い、さして特徴の無い部屋。床は石が敷き詰められており、部屋の中を壁に掛けたロウソクがうす暗く照らしていた。ストレニア王国の第一王女、アリッサ・エフェレフは王族にしか入れない、城の地下に位置するこの部屋を訪れていた。


「よし、これでうまくいくはず」


 白いローブを身にまとう彼女は、目の前の床に書かれた魔法陣をみてそう言った。異世界にいる勇者の召喚。今、アリッサのいる世界は大陸の中央に位置する、魔物領と呼ばれる場所から大量の魔物が溢れ出し、魔物の大侵攻を受けていた。


 物量で上回る魔物たちに次第に押されていく人間側。消耗戦になれば勝ち目はなく、このままでは失ってゆく一方だった。勝つには圧倒的な力を持つと言われる異世界の勇者に頼るしかなかった。


 何故、異世界の彼らが強大な力を持つのか誰も分からない。しかし、今よりも規模は小さいが50年前にも同じような魔物の大侵攻が発生し、異世界より来た勇者がそれを鎮圧した。その勇者を召喚したのがアリッサの祖父にあたる人物であり、彼はその魔法の術式を王家の秘密としてこの部屋に刻み、そしてこの世をたった。


 それから月日が流れ、孫であるアリッサはこの術式を少しだけ自分なりのオリジナルに改良し、今日を迎えたのである。


「大丈夫……これが成功すれば、きっと戦況は良くなる」


 魔法陣に両手をつき、魔力を流す。魔法陣は蒼白い光を放ちながらバチバチと音を立てている。やがて、光は中央に集まり大きな光の球体を生みだした。その光がパンと音を立ててはじけ飛ぶ、そして、中から黒髪を持った少年が出て来た。


「できた……」


 アリッサは安堵の息を漏らす。少年に近づいてゆくと少年が目を開けた。


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