9話 姉妹の絆
次回で完結します。次回は明日投稿できればと思います!
卓也の家
卓也「これと、これと……これでよしっと。さて、戻ろう」
卓也が携帯を手にする。
卓也「もしもし、涼?」
涼『どうした?』
卓也「やっぱり僕、香奈の事好きだわ、それでその、ややこしいことになってる」
涼『ああ、だいたいわかっているよ、妹さんだろ?』
卓也「え? なんで知って……」
涼『実は俺の妹がその件について少し知っていたんだ。まぁ詳しくは後々話そう、それでどうした?』
卓也「ああ、実はな、宝くじの金は全部香奈に渡そうと思う」
涼『そうか……わかった、お前がそれでいいなら、そうすればいい。俺も今はそれが正しい選択だと思う』
卓也「ありがとう、涼に背中を押されると、すべてうまくいく気がするんだ。これまでもそうだったし、今もそうだよ」
涼『何言ってやがる、さっさと行って来い』
卓也「ありがとう……」
香奈の家・翼の部屋
卓也「戻ってきたよー」
香奈「どこ行ってたの?」
卓也「はは、ちょっとな」
翼「あの、見苦しいところを見せてしまってすみません」
卓也「いいですよ、それよりも、次は僕から簡単はお話というか、提案をしようと思う」
香奈「え?
卓也「まず、このカードと、明細を君たち姉妹にあげるよ。これは、僕が二月に宝くじに当たった賞金が入っている」
翼「ちょっと! こんなの受け取れません!」
卓也「次に、君たち姉妹はそのお金を僕に返してはいけない。そのお金は、有意義なことに使うこと」
香奈「うっ……グスッ……うわあん」
卓也「そんな顔しないで、ほら」
翼「これって……本当に宝くじに当選してるなんて……」
翼は明細をめくった。
卓也「もう君たちのものだ。明細と一緒に書いてある紙に契約書類が入っている。簡易版だが、勝手ながら作らさせてもらった。既に僕の判は押してある。香奈、サインしてくれ」
香奈「そんな……だって……」
卓也「君は言ったじゃないか、僕の財産が目当てだって」
ハハハと、卓也は笑う。
香奈「私はこんな……だめよ……」
翼「お姉ちゃん、この人は本気よ、きっと」
香奈「ありがとうございます……!」
香奈はサインをして、また泣いた。
卓也「それとさ、その、さっきの私の好きな人って本当?」
香奈は無言でうなずいた。
翼「よかったら、付き合ってやってください。お姉ちゃんのこれまでの分を、幸せにしてあげてください。こんな大金まで頂いてずうずうしい私でごめんなさい。でも、幸せに出来る人はあなたくらいだと思ってますから」
翼もまた、涙を浮かべたが、卓也に微笑んだ
卓也「任せてください」
香奈「でもぉ……私……汚いし……卓也みたいな人と付き合うなんてぇ……」
翼「ばかね、そんなこと考えるような人じゃないわ、卓也さんは。いいから、思い切り甘えなさいよ」
香奈「うぅ……」
卓也「香奈、ほら」
卓也は香奈の事をしっかりと抱きしめた。
香奈は嗚咽を漏らして泣いた。
自宅
涼「そうか、うまくいったみたいだな、良かった」
卓也『おかげさまで付き合えたよ! 涼のおかげだ、ありがとう』
涼「そっちかよ、姉妹の仲が良くなったことを喜べよ」
卓也『そうだった』
はははと笑い合う。
涼「それで、あの金はどうしたんだ? あ、渡した後の金の行方だよ」
卓也『最新医療技術ってやつで翼ちゃんのリハビリと、あとは貯金だね』
涼「偉いじゃないか」
卓也『彼女も、仕事を引退したって言ってたし、僕も就活頑張って彼女を養えるように頑張るよ』
涼「かぁー……就職……って、結婚すんの!?」
卓也『そのつもりだよ』
涼「まじかー……なんかどんどん遠い存在になっていくなぁ」
卓也『何言ってんだよ、兄弟みたいなもんじゃないか、僕たち』
涼「でも結婚はでかいぞー? 素直に嬉しいけどさ」
卓也『まだまだ結婚なんてできないよ、ただの願望ってやつ』
涼「ふふっ、まぁいいさ、式には呼んでくれよ」
卓也『おーけー、それじゃあ』
涼「おう」
香奈の家
翼「姉ちゃん無理に仕事やめさせてごめんね」
香奈「いいんだよ、嫌いな仕事だったしさ」
翼「お仕事はどうするの?」
香奈「このまま勉強頑張って、公務員になろうかなーなんて」
翼「おお! 頑張ってね!」
香奈「ありがとっ」
1年後
山頂
香奈「ここにくるのも久々だねー」
涼「ああ、ほんとだなぁ」
卓也「翼ちゃんも一緒だよ、今回は」
翼「なんでもっと早く教えてくれなかったの~」
香奈「ちょっと、車いすなんだから暴れちゃダメ!」
翼「うーるーさーいー」
涼「ははは、さあ、今日は流星群らしいぞ? 願い事かけ放題だ、いいか、見逃すなよー」
卓也「そんな願いかけ放題だなんて欲張りだよ」
香奈「私は卓也ともっと一緒に……ふふふ」
涼「そうだぞーさっさと結婚しちまえよお前たち」
翼「ほんとだよーお姉ちゃん卓也さんが突然いなくなったらどうするのさー」
香奈「え……急にいなくなったら……? そんなのやだあああ」
香奈が卓也にぎゅっと抱きついた。
卓也「いなくならないって! ちょ、くっつきすぎ!暗いから危ない危ない」
翼「ほんとにもうお姉ちゃんったら……」
涼「ほら、来たぞ、流星群」
卓也「すっげ……」
香奈「わあ……」
翼「綺麗……」
涼「(このまま、この幸せが続きますように)」




