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8話 香奈のヒミツ 後

もうそろそろ完結させようと思います、よろしくです

涼「お、おい!」

美紀「もしもし? あ、翼―? ちょっと聞きたいことがあるんだ、その香奈さんの事なんだけど……」

翼『え、なになに?』

美紀「あの、香奈ちゃんもしかしたら翼のために体売ってるって」

翼『え……』

美紀「まだ決めつけるには早いけど、もしかしたらそうかもしれない」

翼『どうしてわかるの?』

美紀「あのね、兄が香奈さんと知り合いで、それで話聞いたらもしかしたらって思ってさ」

翼『……あの馬鹿女、ありがとうアオミキ、あいつ帰ってきたらぶっ飛ばすよ』

美紀「アオミキってなんか懐かしい、ふふっ」

翼『青木美紀だからねっ、とにかくありがとう、そんなことやめるように説得するよ』

美紀「ううん、私こそごめんね、なんか……私から言うべきだったかわからなかったけど」

翼『いいのいいの、あいつ絶対言わなかっただろうし……、あ、姉ちゃん帰ってきたわ、切るね』

翼「いいよー入ってー」


8話


香奈の家の近く・道路


香奈「言うから……家に戻るね、それでわかるから」

卓也「うん…」

二人は無言で歩く。

香奈の横顔を見ると、とても悲しそうな雰囲気だった。



香奈の家


香奈「入って」

卓也「お、お邪魔します……」

香奈「二階にあがって?」

卓也「わかった」

卓也「(どういうことなんだろう、一体どんな理由があるんだ……)」


部屋


香奈「翼―入っていい?」

翼「いいよー入ってー」

香奈「翼……ちょっと紹介したい人がいるの」

翼「わお、男の人? もしかして彼氏?」

香奈「ううん、でも、私の好きな人。卓也って言うの。藤山卓也」

卓也・香奈「え??」

香奈「全部話すよ、卓也……翼も聞いてね」

翼「うん、でも、私も話すことあるから」

香奈「翼って言うのは、この子。私の妹で、下半身が動かないの。私のせい。」


……

回想・香奈の家


翼「姉ちゃんには付き合えないって! 絶対私の方が先の彼氏できるもん」

香奈「私だってできるし! 姉は常に妹より先にいるものだよ!」


香奈と翼はどちらか早く彼氏を作るか勝負をしていた。香奈は大学1年になるはずの高校3年、翼は高校入学を控えた中学3年だ。二人は高校デビュー、大学デビューを果たし、どちから早く彼氏を作れば勝ち、作れなかった方はステーキをおごるという条件のもと、行われた。

しかし、不幸にも姉妹が好きになった男は同じ男で、翼が男と先に付き合い、勝負は翼の勝ちとなった。


香奈の家・二階廊下


翼「ふっふーん、お姉ちゃんにはやっぱ色々足りなかったのよねー胸があったとしても、頭悪かったりするしぃ~、そんなんじゃモテないよ~?」

香奈「あ、あんたっこれでも本気で好きだったんだからね! 馬鹿にすんな!」

翼「でも~彼は私を選んだのよー? いい?彼には、私だったの。お姉ちゃんを負かす日が来るなんてね~ふふ、いい気分!」

香奈「(クッ、言わせておけば……)」


ドン!! と翼の事を押し、部屋に戻ろうとした。

翼は階段へと落ちてしまい、意識を失った。

命は助かったが、強く頭を打ってしまい、翼の下半身は動かなくなってしまった。


回想終わり


香奈「それで、私は深く反省したのよ、私は、持っているものをすべて翼にあげた。翼はその彼氏に振られたわ。私のせいでね。大学もやめて、一年間働いて翼の医療費や勉強のための教材を与えた。一年だけに留まらずに私は働き続けた。私には幸せになる権利なんてないと思ったの。だから友達も作らないし、彼氏もいらなかった。卓也の事も好きなっちゃいけないはずなの……ごめんね、翼……ごめんなさい……」

卓也「……」

翼「いいのよ、もう。そんなことをいちいち気にしないで。私だって言いすぎたのが悪いの、何度も言っているでしょう?」

香奈「でも……」

翼「私はそれよりも、もっともっと怒ってることがあるの」

香奈「え?」

翼「お姉ちゃん、体売ってるんですって?」

香奈「うん、隠しててごめん」

翼「そんなことして私が喜ぶと思っているの!? 馬鹿じゃないの!? 私は、お姉ちゃんが本当に反省しているようで最初は嬉しかったと思ったわ、でも、こんなにしょい込むことないはずよ、本当に私の事を考えてるなら、お金じゃなくて、態度とか、行動で示すべきじゃないの!?」

香奈「……うぅ、ごめんなさい」

翼「私には一人しかいない姉なんだから……そういうの、やめてよ……グスッ」

香奈「ごめんなさい……」

翼「本当に反省しているなら、早くやめてよ、その仕事とか」

香奈「でも……」

翼「やめてってば!!!!」

香奈「……」

翼「怒鳴ってごめんなさい」

香奈「じゃあ、私はどうしたらいいの……? どうしたら翼に罪を滅ぼせる?」

翼「好きな人がいるんでしょ? 普通の人となんら変わりない生活を送ってよ、私は笑っているお姉ちゃんが好きなの。もう怪我の事は恨んでいないわ」

香奈「でも、定期検査のためのお金とか、治すようにってお金稼いできたのに……」

翼「もう治らなくたっていいのよ。人生にハンデはつきものよ」

卓也「ごめん、ちょっといいかな?」

香奈「どうしたの?」

卓也「香奈は、翼ちゃんのために、お金を貯めているの?」

香奈「そうだよ」

卓也「ちょっと待ってて、でかけてくる」

香奈「え? どこ行くの?」


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