表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

6話 香奈の気持ち


それから1週間が好きた。相変わらず3人で会ってよく遊んだ。表情が固い香奈もよく笑うようになり、それとなく、卓也と香奈もいい雰囲気になってきていた。

しかし、それと伴って別に香奈の仕事に支障が出てきていた。


撮影現場


香奈「んっんっあんっあんっ」

男優「あーいいよーはぁはぁ」

香奈「(なんでこんな虚しくて悲しいの……いつもはもっと仕事に対して頑張れるのに)」

監督「ん?」

監督カンペ『はるちゃん表情固い、もっとよがって』

男優「あの……内山さん」

香奈「え?」

男優「涙出てますよ」

香奈「いやだ、そんな、グスッ」

監督「ちょっとどうしたの? とにかく今日は終わり、続きは次回ね。でも結構いるんだよねー撮影中に泣いたりする子……」

香奈「すみません……」

男優「……」


いつものように着替え、給湯室へ行き何度もうがいをした。


香奈「なんでなのよ……」




大学


卓也「ねぇ、今日香奈のことみてない?」

涼「いや? 見てないよ」

卓也「どうしたんだろう」

涼「今日は香奈講義ある日だからな、真面目だしくるでしょう」

卓也「あ、来た来た」

香奈「……」

黙って歩いてくる。涼たちには気づかず通り過ぎる。

卓也「ちょっと、香奈?」

香奈「……あ、卓也、涼、おはよう」

涼「どうしたんだ? なんか元気なさそうだけど」

香奈「やっぱり、あなたたち……私とは関わらない方がいいよ、その方がいい」

卓也「ちょ、香奈?」

香奈は振り向きもせずに、速足で去ってく。

卓也はそのあとを追い、この日は涼の前に現われることはなかった。



自宅

涼「(なんだよ全く。連絡した方がいいのかな……それでも香奈のあの表情……)」

涼の部屋のドアにコンコンとノックが鳴った。

美紀「ねぇ、車貸して」

涼「ほれ、カギ」

美紀が涼の妹だ。二つ年下で来年度で大学2年になる。

涼「どこ行くんだー?」

美紀「友達ん家~、すぐ帰ってくるから」

涼「あ、そうだ、ちょっと待って」

美紀「なに?」

涼「例えばの話だよ? お前がもし風俗かなんかで働いてたとしてだな、その、彼氏ができたら働いてる事内緒にするか?」

美紀「当たり前でしょーバレたら別れるか、許してくれてもうちの精神がもたないかも」

涼「そ、そうか……」

美紀「安心してよねー私体売ったりしないしー、あ、もしかして涼がそういう人好きになったとか? ないわー」

涼「ちげーよ! ただのたとえ話だよ」

美紀「ふぅーん、ま、いいや、行ってくるからー」

涼「行ってらっしゃい」

涼「(美紀は内緒にしたがった、やはり最初に俺がしたことは間違いだったのか? もし俺が香奈に言わなければ……)」



香奈の部屋


香奈「どうしたらいいんだろう、私、きっと卓也の事好きだ。でも私には幸せになんかなってはいけない……、うう……グスッ」

???「…………」

香奈「グス……」


卓也の部屋


卓也「追いかけたけど話を全く聞いてもらえなかったな……電話も通じないし」

卓也「涼に相談するか」

電話をかける。

卓也「もしもし」

涼『もしもし、どうした?』

卓也「やっぱ話聞いてもらえなかった」

涼『そのことなんだが、もしかしたら仕事と関係してるかもしれない』

卓也「なぜわかる?」

涼『妹に軽く相談乗ってもらったんだよ』

卓也「それで?」

涼『やっぱりそういった職業は風当たりとかの問題じゃなくて、自分としても知られたくないし、それも、彼氏とかならなおさらなんだとさ』

卓也「でも、僕と香奈の関係は……」

涼『香奈はもうお前の事、多分好きだよ』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ