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第1話

食事中の閲覧はお勧めしません。

高いパステル固めの壁に囲まれた一つの小さな国の、細く暗い路地裏にある、これまた廃れた酒場兼レストランの出入り口に、汚い金髪の若い男が酔い潰れて眠っていた。


彼こそが、シン。


シンは昔の夢を見ていた。

シンの育ての親であり前団長のコウの名前を呼んでいた。



うつつの中、シンの名前を呼んでいる人がいた。


「…ン…、シン、シン!おいこら起きろ!」

直毛短髪で、袖を肩まで捲し上げている細マッチョの男。

酒場の親父、カイだった。

「困るんだよ~、酔っ払って店先で寝られたら~」

「あ、あぁ。すまない…。?」

シンの肩には覚えのない毛布。

カイは困ったような顔をしながら扉を開け、中に入った。その際。

「寝るなら二階使いな、団長さん」

と言った。

「…世話になんね。」




暗殺団「バビロン」団長 シン 21歳。

出身 ××××国貧民街。

両親共に売買され行方不明。

育ての親の前団長コウは国王殺人未遂で現行犯逮捕、その場で射殺。

他の団員は全員捕まり死亡。

今までバビロンが殺した人種ーー827人全員、街…国を奪いし貴族共(ギャンブラー)

バビロンの目的は貴族抹殺。




シンが二階に行くと、丸々と太った、シルクハットの男が拘束されていた。

男がシンに気づき、大騒ぎする。

「貴様ァァァ!!!この縄を解けェェェェェ!!!!!」


やかましい。早く殺そう。


「お前昨日の晩、肉食ったか?」

この店の名物はステーキだ。

「それがどうした!!早く解けェェェェェ!!!!!」

「…フン、狂人め。」

銃を構え、引き金に指をかける。

「堕ちろ。」

「おま、バビロンの…!」


銃声後、絶命。



「終わったか?」

カイがひょこっと現れる。

「あぁ、親父さん。すまねえな、汚しちまった。」

「あぁ、いいんだよ。それにしても、今日はなかなか上「者」じゃねえか」

普段通りのテンションでカイが言うとシンが死んだ肉塊の顔を覗き込み、気だるそうに

「貴族人「アレック・ドウマ」だ。こんな家畜みてぇな顔が金持ちなんだな。」

それなら俺だって金持ちになれるんじゃね、と、冗談混じりに答える。

「あ、いや、そーゆーんじゃなくて。」

「分かってるよ。貴族はだいたいが脂の乗った良い肉なんだろ?おっそろしー」

「だが人肉は酸性で不味い。それに気付かないこいつらは味覚までもが狂ってんな。」

ケラケラと笑い合う。

カイは昔からコウと馴染みがあったため、いつも協力してくれている。

「今日はどこで寝るんだ?この部屋で良いなら使ってくれて構わんぞ。後はウチの若い奴らが捌いとくから。」

若い男が2.3人入ってきた。大きな大きな包丁を持って。

「ここで捌くんか…。今日は宿とってあるからいいよ。ありがと。」

苦笑いを浮かべる。

あ、血の匂い。

カイとシンは部屋を出て一階に向かう。


「てか親父さんも協力してくれんなら入団してくれよぅ。」

「嫌だ断る。俺は家族持ちだバーカ。…くっせぇなおめぇ!今すぐ風呂入れ!」

「風呂貸せええぇえぇ」



こんなことが俺達の日常。

血生臭い、日常。

驚くほど華がないです。

多分これからも…はぁ。

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