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Act.00
こんにちは
『春の祭展』冒頭部分を忘れていたので、
投稿しました。
空には月が上り、夜も深く更けてきた三上市。
高級住宅が建ち並ぶ三上市北部の一角に、他とは一線を画す建物があった。
『梅原邸』
邸の表札にはそう書かれていた。
邸は煉瓦造りの二階建てで、それはまるで明治時代を思わせるような造りだ。
表門を正面とし左側へ回っていくと大きな庭が広がる。夜風に庭に張り巡る芝生は静かに揺れていた。
すると二階の窓から人が庭へと飛び降りる。
転がることで落下による衝撃を緩和し、何事も無かったかのようにむくりと立ち上がる。
野球帽を目深に被ったその影は表門から外に出て、足早に邸から離れていく。ポケットからスマートフォンを取り出すと電話を掛ける。一言二言言い終えて電話を切ると、そのまま暗闇の中へと消えた。
翌朝。
その邸の寝室で一人の男性が遺体となって見つかった。
短い冒頭でしたが、お気になさらず。
では、また。