一週間の猶予
あの日、狐のお面に言われて2日目
久々の学校へ登校した
自分のクラス前で伊藤に出会う
「…おはよ、伊藤」
「…あぁ、いいか?何聞かれても『記憶が曖昧』でごまかせよ?絶対に…な」
伊藤に続きクラスに入る
すると、クラス内にいた生徒の半数は『今頃』や『生きてたんだ』などそんな顔をされた
「…おは、よう」
私が挨拶をかわすとみんな目を逸らす
とにかく自分の席へ行くと机にはユリの花が置いてあった
「…何これ、なんなの?」
恐る恐る伊藤の方を見る
やはり、伊藤の机にもユリの花が置いてあった
「おぉーい、HRやるぞって…花芽に伊藤2人とも生きてたのか」
先生の口から言われた言葉により
クラス内の生徒がゲラゲラと笑いあげる
まるで、もう自分らの居場所など
ここにはないように…。
放課後
「ねぇ、伊藤」
「どうした?」
「なんでこんな状況なのに平然としていられるの?」
「…殺し合いゲームの最中に狐に見せられた映像がさっきみたいな状況だったからな」
「映像?何それ」
「忘れろ、俺は帰るから」
「待って!!あのさ…メアド交換しよう」
「なんで?」
「なんとなく…何かあったらメールしてほしいし」
「わかった、はい俺のメアド」
「あっ、うん!あとでメールする」
「じゃ、帰るから」
「さようなら・・・、やっぱり死んだ方が良かったのかな」
教室から出て廊下を歩きながら考えた
そんなことが私にとっての『ホントの絶望』なのだろうか
狐のお面の正体も知るためには生きてゲームに勝たないといけない
でも、今の私は心が弱い
「・・・奏多はどうしているのかな?」
空を見上げると何か虚しくなっていく
「はぁ、考えても無駄だ・・・例え監禁されても無駄だしアイツの命令だったら断ることなんて出来やしさないさ・・・逆らえば殺されるだろうし」
コンコンッ
『奏多、一つ聞きたいことがある・・・いいか?』
「何、お父さん」
『帰ってくる間に一体何があったんだ?』
「・・・ねぇ、そーやってさ父親ぶるの止めてくれない?」
『・・・すまない、だけど心配しているんだよ?お父さんもお母さんもね』
「悪いけど何があったなんて言えないから、死にたくなければね」
『・・・そうか、お母さんに部屋から出してもらえるように頼んでみるよ』
「ホントだよ、どーせさ一週間経ったらまた消えるんだから」
『今、なんて・・・?嘘だろ?』
「勝手に言ってればいいよ・・・僕は二人にとって最低なデキの子供なんだから」
『・・・・・・、それは違うぞ奏多』
「何が違うんだよ!!!今までのことからそうだとしか言えないじゃないか!!!」
『・・・それは!ごめん、お父さん仕事の時間だ、じゃ行ってきます』
「・・・『ホントの絶望』か」
そして、またもや星空を見上げる
あのdeathgameの参加者は皆同じ星空を見上げているのいるのだった
「健太ー!!ごめん遅くなって」
「いや、別に平気だから・・・舞花のお父さんにOKもらえた?」
「うん!!健太ならいいって言われたよ」
「そっか、一週間後・・・必ず生き残ろうな」
「当たり前だよ、この前みたく逃げ出さない!!」
「お互いに頑張ろうな、舞花」
「約束、無事に帰還しようね」
俺と舞花はゆびきりをして
お互いの顔を見合わせ夜道を進んでいく
「・・・鈴架、君の分まで生きるから」
そして、一週間はすぐさま過ぎて行って
またもやあの廃墟へ連れて行かれた
『やぁ、こんにちにゃー・・・さて置き今から期限はありません、あなた達が1人だけになるまで続きます。えっと、かくれんぼthedeathgameを開催いたしまーす。』