………旅立ちの時、雫の雨
あれから色々なところを歩き廻った
暴走ロボに見つからないように
歩いていたら奏太が自分の手を握っていた
なんだか、嬉しくて握り返した。
「何か、デートみたい………」
「場所が場所なんだけどね」
「そうだね………あのさ、奏太」
「………ん?どーしたの?夕凪ちゃん」
「………あのさ!もし、ここから出たら………」
「うん」
「ずっと、私と………友達でいてほしいの!!!」
「………夕凪ちゃん」
「あっ、迷惑だよね?あはは………ごめん」
「夕凪ちゃんにとっては友達以上恋人未満な関係になりたいだけ、なの………?」
「………わかんない、けどね」
握っていた手を離して奏太の前に出る
「私は、きっと………奏太のことスキなんだ!」
「………きっと?」
「私恋とかしたことなくて感情がイマイチわかんないんだ………だけどね、奏太といると胸がドキドキしたり熱くなるの………。」
「それって、きっとじゃないね!もう『スキ』なんだよ!夕凪ちゃん」
「………これが、スキなんだ」
私の『初恋』と言うモノが奏太でよかった
そう感じました。
でも、実際この幸せはいつまで続くのでしょうか
………わかりません、わかりたくありません
「奏太、産まれてきてくれて………こんな私と出会ってくれてありがとう!!」
「………夕凪ちゃん、僕も夕凪ちゃん産まれてきてくれてありがとう………こんな僕と出会ってくれてありがとう!!」
「あっ、ねぇ奏太!1回部屋に戻ろ」
「………うん、そうだね」
そうして………部屋に向かった
部屋の中から声がして、小走りになった
「………千、夜………君?ねぇ!!!返事してよ」
泣きながら声を上げて
千夜君の肩を揺する春野さんの姿があった




