姉妹の過去と新たな場所
「それと・・・。」
ヒビの入っていたお面に手をかけた
「これからお面は外して行くことにする」
「・・・アンタは、夢歌なの?」
「そうよ、お姉ちゃん」
「えっ・・・、姉妹!?」
花芽 夢歌は夕凪ちゃんが両親を誤って殺害する前に謎の疾走をした生き別れの妹だった
そして、彼女は・・・。
「お姉ちゃんさ、過去に私とかくれんぼしたよね?」
「う、うん・・・それがどうしたの」
「私、疾走したとかなってたけどずっとかくれんぼしてた時の場所にいたの」
「かくれんぼしてた場所って」
「井戸の中よ・・・、でもアンタに井戸の扉閉められて隠れた時から4年位いたの」
「でも・・・、そんなに隠れてよく餓死しなかったわね」
「まぁ、ね運良くパン持ってたから・・・それと井戸水を飲んでギリギリ生きてたの」
「そっか・・・、ごめん、ごめんね」
「別に、私今はこの運営の一番上だけどあの時井戸の中を開けて助けてくれての」
「・・・その助けてくれた人って」
「もう、死んだ・・・いや、違うな殺したか」
「なんで殺したわけ!?なんで・・・。」
「邪魔だったからに決まってんじゃん?殺したことも隠蔽して私が一番になるようにもと社長の字で殺す前に書かせて殺したわけ~確かにさ、命を助けてくれたのは感謝してるけど」
お面を外した夕凪ちゃんの妹の花芽夢歌
彼女は高笑いをしながら部屋を後にする
普通なら妹との再会には喜ぶはずだが今の夕凪ちゃんはとても苦しそうな表情をしていた
「・・・ッ、みんなごめんね・・・怪我ない?」
「僕らは平気だから夕凪ちゃんを・・・春野さんお願いできるかな?」
「・・・加瀬見さんのお願いなら」
そう言って春野さんは夕凪ちゃんのほぼ全部の怪我を手当してくれた
夕凪ちゃんも春野さんもギスギスした空気だ
「わ、私!!アナタを許したわけじゃないですからね!!!」
「うん、許してもらうなんて最初から思っていませんから・・・でもありがとうございます。」
ペコリとお辞儀をする姿を見て春野さんは困惑する
「どうして、アナタにお礼を言われなきゃいけないんですか?」
「・・・奏多に適切な処置をしてくれたから」
「そんなの当たり前です。大怪我しているのに処置しないのはおかしいですし」
「お前・・・、行動と言動が矛盾してるぞ」
「・・・うっ、だって・・・。」
「春野さんありがとう」
「い、いいえ」
「あのさ・・・もしかして奏多のこと好きなの?」
「な、ななななな何を言っているんですか!?」
「そっか、叶わぬ恋だね・・・可哀想」
「どーいうことですか?それ・・・。」
「このゲームはわかんないけど殺し合いの時は恋仲禁止だったから」
「えっ・・・、そうなんですか」
「恋仲になってもどっちかが裏切らない限り両方を殺しますってルールがあってね?」
「うん、まぁ誰もなってなかったけど」
「あと・・・狐じゃなくて夢歌は機嫌を損ねちゃ駄目だからね」
「なんて、理不尽な」
「まぁ、そーいう妹だからね・・・はぁ」
「お前ら何をしているんだ?早く隠れろ・・・じゃな」
「葛城!?今のってまさか・・・もう始まっているの!?」
「じゃ、みんな幸運を祈るよ・・・、行こう夕凪ちゃん」
「今回はバラで隠れましょう」
「えっ?どうして」
「もう人数減っているし、鬼が来る確率は高くなっているからね・・・じゃ」
「あっ・・・、やっぱりすごいな君は」
「・・・加瀬見さん」
「うしっ!じゃ俺も行くわ」
「・・・私、生きていていいのかな」
取り残された部屋ベッドの上にうずくまっている
もう鬼が来てもいいやと思い初めた
廊下から足音が聞こえ
この部屋の前に止まる
「・・・やっぱり死にたくない!!!」
部屋中にある大きいモノを扉の前に固定する
扉を閉め最後の抗いをする
例え私が死んでも誰も悲しまないから
せめてクローゼットの一番奥へ
「・・・ここでいいかなっ!?」
ガタッ!!!
クローゼットの一番奥の床へ腰をかけた時
下が開き私はその場へ落た
「きゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!」
扉は閉じてしまった
「・・・ッ、あっ、ここは・・・嘘!!誰か!!!誰か助けて!!!」
実は春野さんが落ちた地下は防音で叫んでも届かないのだ
ただ、その場で響くだけ
「・・・何か眠い」
そして、その場へ眠ってしまった




