表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/30

紙芝居「滑稽王子と死に行き姫」

昔々、多重人格の少女がいました。

周りからはとても優しくて、人思いのいい子

泣き虫で弱い奴など様々なこと言われていた

実際のこと

そっちの方が多重人格の方だった

でも、本性を出すとみんなが怖がり気味悪がる

だから、その性格を隠すためにもう一人の自分が生まれた

みんなは本性の方を多重人格の方だと信じきっている

本性を本当の自分だと信じてほしい

存在を認めてほしいそう思っていた

だけど、年々の気持ちを忘れてもう一つがホントの自分だと思っていた

でも、健太は私の多重人格を『どっちとも舞花だよ』と言ってくれた

自然と涙が出た

手で拭いても止まらない

大粒の涙が・・・。

きっと嬉しかったんだ

誰にも認めてもらえてくれなかったことをただ一人

健太だけが認めてくれた

その時だけ心の奥に眠っていた本性が目を覚ました

「ホントにいいのか?」

「当たり前じゃん!!」

「・・・・ッ!!そ、そーかぁ」

「それがホントの舞花?」

「あぁ」

「ぷっ、くくっ」

「な、何がおかしい」

「いや、すごい違うんだなーって」

「・・・なんだよ、それ」

久しぶりに笑えた

こんなにも曇っていた表情は一人の信じるという行動で快晴になるものなのか

とてもとても嬉しいかった

結局泣く

嬉しすぎて泣いてしまった

でも、今年deathgameへ招待された

その時、まさか健太がいるとは思っていなかった

殺せない

ただ、そう思った

優勝者になるための条件はただ一つ、自分以外のプレイヤーを殺すこと

そして、deathgame開始から5日頃

私は健太と自殺を決意した

健太なら一緒に死んでくれると思った

ホントに健太は自殺してくれると言った

でも、やっぱり私は死にたくはなかった

『薬を飲むフリをしよう』と決めた

心は痛むが仕方ないと、自ら殺害なんかしたくなかった

でも直前で狐が邪魔をした

✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽

かくれんぼで最後までヒーローにいた健太

その姿を見て

叫んだ

笑いをこらえて

滑稽で滑稽で・・・・・・。

「めでたしめでたしってなわけよぉ」

「・・・海崎ッ!!!」

「おぉー怖い怖い」

「じゃ、今まで君にとって赤坂君は邪魔にしかなかったの?」

「まぁな・・・今まで綺麗事を並べるのが苦痛でたまらなかったけどアイツが死んで清々したぜぇ」

「・・・ダウトだ、海崎」

「ハァ?何がダウトか言ってみろ」

「赤坂の死に関してはかなりの動揺しているから今のお前になっているんだろ」

「な・・・何が言いたいんだ、葛城」

「ふんっ、そんなことすらわかんないのか・・・バカめ」

「やんのか・・・てめぇ」

「勝手に言ってろ、さっきの発言が嘘だと言うなら多重人格の方に戻れ」

「・・・・ッ」

そう葛城が言うと海崎は目をつぶり

何か雰囲気がかわった

「あれ・・・ここってハジメの部屋?」

「記憶ある?今までのこと」

「あぁ・・・私のせいで・・・健太がぁ」

「大丈夫だから、赤坂はアンタのために死んだの・・・アンタに生きて欲しいから身代わりになったんだから自信持って?ね?」

「私に生きて欲しい?」

「えぇ、きっと赤坂ならそー言うわ」

「うん、僕もそー思う!」

「みんな・・・さん、ごめんなさ」

グサッ

「えっ?」

今なにがおこったの?

海崎舞花が何かに刺さって死んだ?

どーして

なんで

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「あっ、し・・・死んでますか?」

「いやぁぁぁぁぁぁ」

「奏多!!彼らを安全な場所へ」

「わかった」

「狐!!!」

『海崎舞花はウザかったから殺しちゃった♪』

「なんで・・・なんでこんなことを、恐怖与えてどーするわけ!?」

『ごめん、私・・・人の不幸は蜜の味なタイプだから』

【・・・・・・・・。】

こうして2日目は幕を閉じた




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ