第5話 豪華なチョコレートのお菓子 とっても甘いもの。なーんだ?
豪華なチョコレートのお菓子
とっても甘いもの。なーんだ?
林檎の顔を見ている檸檬の頭の上にぴょんとひらめいたようなマークが飛び出した。
檸檬にやにやとしながら、お茶菓子の豪華な宝石みたいなチョコレートのお菓子をフォークでさしてすくうと、じーっと、林檎の綺麗な顔を見ながら、林檎の顔の前に差し出した。
「あーんして。林檎」
檸檬がそういうと不満そうな顔をしたままで林檎はチョコレートのお菓子をぱくっと一口で食べた。
「林檎。久しぶりにちょっとだけ泳いで行かない?」
ともぐもぐしている林檎を見ながら檸檬は言った。
「泳ぐって学園のプールで? うん。まあいいけど」
口元にチョコレートのお菓子をつけながら(ちょっと嬉しそうな顔をして)林檎は言った。
「じゃあ約束だよ」
そう言って今度は自分の口でちゃんと美味しい豪華なチョコレートのお菓子をぱくっと檸檬は笑顔で食べた。(ちゃんと甘くて美味しい味がした)
それから檸檬は林檎に顔を隠すようにして、ふふっと嬉しそうな顔をして、小さな口に手を当てながら、一人で笑った。
檸檬は美味しくお昼ご飯のお肉をぱくぱくとちゃんと全部残さず綺麗に食べた。
檸檬はとってもご機嫌だった。
とってもいい悪魔のいたずらを思いついたからだった。
学園には大きなガラスの天井の空が見える真っ白なプールがあった。
プールは体育の時間や水泳部の練習などで使われているのだけど、生徒たちはいつでも自由にプールで泳ぐことができた。
水着はプールの購買のところでタオルや飲みものやイルカの浮き輪と一緒に学園の白いスクール水着の新しいものを買った。
檸檬は林檎と一緒に白いスクール水着に着替えをして、真っ白なプールまで歩いて行った。
するとそこには桃と蜜柑がいた。
二人とも檸檬と林檎と同じように学園の白いスクール水着を着ていて、檸檬と林檎を見て、笑顔で手を振ってくれている。
桃は大きな花の模様のある透明な浮き輪をもう片方の手に持っていて、蜜柑は麦わら帽子をかぶっていた。
ここで二人と出会ったことは偶然ではなくて檸檬が放課後に泳ごうよと(林檎にはないしょにして)桃と蜜柑を誘ったからだった。
林檎は桃と蜜柑がいることを聞いていなかったので、びっくりした。
桃と蜜柑を見て林檎は、また檸檬がなにか悪いことを企んでいるなと思った。
その証拠に、林檎には前を歩いている檸檬のお尻のところから(隠しきれていない)悪魔のしっぽが生えているのが、たしかにちゃんと見えていた。
はぁーと大きなため息を林檎はした。(せっかく久しぶりの檸檬と二人だけのデートだと思ったのにな)




