第3話 青い林檎と苦い檸檬 大好きなことがしたいんだよ。大好きな君とね。
青い林檎と苦い檸檬
大好きなことがしたいんだよ。大好きな君とね。
振り向くとそこにいたのはやっぱり林檎だった。
いつもなように凛とした目で檸檬を見ている林檎。
林檎は檸檬のお友達ではじめての恋人でもあった。(もう別れちゃったけど)
恋人とは言ってもお遊びの恋人で、お友達よりも仲が良くて、本当の恋人よりは距離が遠い。と言ったような感じだった。
中等部の一年生の夏のときから二年生の春のころまで恋人だった。(そのころは本当にずっと林檎と一緒にいた)
一年生のときは同じ教室で二年生のときに別の教室になって離れ離れになって、お別れしちゃって、三年生でまた一緒の教室になった。
林檎はそのことをとても喜んでくれた。
林檎は檸檬ともう一度、恋人になりたいって思っているみたいだった。
でも檸檬はもう林檎とは(林檎のことは大好きだけど)恋人になりたいって思ってはいなかった。
林檎は少し犬っぽくて、大人っぽい顔をしていて、さらさらの黒髪が背中まであって、足が長くて綺麗だった。(羨ましい)
真面目で、その大きな瞳がいつも凛としていて、なんだかとってもいい香りがした。(果物っぽい香りだった。そんなシャンプーを使っているのかもしれない)
林檎は青色が大好きで、洋服や小物などは青色のものをよく身につけていた。
そのことを揶揄って檸檬は林檎のことを青林檎って呼んだりしていた。(本物の青林檎は黄緑っぽい色だけど)
檸檬はじっとそんな林檎の目を見つめている。
その目を見つめ返しながら、その目はなにかめんどくさいことを考えているときの檸檬の目だと元恋人の林檎にはすぐにわかった。
「ねえ。林檎。ちょっとだけいちゃいちゃしようよ。一年生のときみたいにさ。ね、いいでしょ?」
檸檬はふふっと笑いながら林檎の手をとってそう言った。
「え? なんで? やだよ。みんな見てるよ。ここは教室だよ」
と恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら林檎は言った。(でも抵抗はしなかった)




