9.大いなる力には大いなる代償を伴う
ここ最近、師匠の体調の悪化が目立つようになってきた。最初は些細なことだったが、徐々にその頻度が増していった。訓練中にふと立ち止まり、息を整える姿を見るたびに、心配の念が胸を締め付ける。
私と会ったころはあんなに元気だった師匠が、今では顔色が悪く、しょっちゅう咳き込んでいる。どうやらあまり寝れていないようで、夜中に師匠の方向から聞こえる咳の音が増えてきた。なにせ寝ずの番(文字通り)ができるので聞こえてしまう。
「あれはただの疲れだ。心配するな」という師匠の言葉に、どれだけ安心しようとしても、師匠の体調が悪化しているのは明らかだった。訓練中、師匠が突然立ち止まり、苦しそうに咳き込み始めたとき、私はすぐに駆け寄った。
「ちょ、師匠、大丈夫ですか!?」と思わず感情が声に乗ってしまうこともあった。
「…ただの咳だ。心配するな。それよりお前は自分のことに集中してろ」
師匠は微笑みを浮かべながら答えたが、その顔色は明らかに悪かった。私の心配は消えず、むしろ増すばかりだった。訓練の合間に、私は勇気を出して尋ねることにした。尋ねるといっても思い切って聞くというよりは日常会話をしに来た感覚で。
「あー師匠?最近やっぱりあなたの体調が気になってしまいましてね?こんな私ですけど何かできることがあれば教えてください。師匠のために何でもとまではいきませんけど、できる範囲のことならしますよ」
師匠は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに微笑み、その目には深い疲れが浮かんでいた。
「ありがとう、お前の気持ちはありがたいが、これは俺自身に定められた運命だ。もうこれ以上こいつをどうこうしてやろうってつもりはない」
師匠の言葉に、私は胸が締め付けられるような思いを感じた。彼の体調が悪化していることを実感し、今後の展開に不安を抱かざるを得なかった。そして、師匠は自分の過去について語り始めた。
「俺は平民のもとに生まれた普通の少年だった。ある時、俺の村が魔物に襲われて、家族も自分も死ぬと思ったんだ。だが、その瞬間、光の力をまとった細剣使いの女性に助けられた。」
師匠の目は遠くを見つめるようだった。その視線の先には、彼の過去が広がっているようだった。
「その女性のおかげで家族と俺は助かったんだ。幼い俺はその女性に憧れて、強くなりたいと思った。村や町を守れるようになりたいと話したよ。女性は『ただの冒険者さ、たまたまここを通りすがっただけのお人よしだよ』と言ったが、俺にはその言葉が何よりも勇気を与えてくれた。」
師匠は微笑みを浮かべながら続けた。
「短い期間だったが、その女性の下で修業をし、俺も冒険者を目指すことにした。自分の村だけでなく、世界中の人を守ることを目標にしてな。」
師匠の話はここで終わらず、続けて語り始めた。
「冒険者になったあとも修行を続け、それはもうかなりの数の依頼をこなしたんだ。そして、気づけば俺は自分という器が耐え切れないほどの力を身に着けてしまっていた。そして医師に、このままでは近いうちに身体がもたなくなるだろうと言われた。それがいつなのかはまだわからないが、いずれそうなってしまうと。」
師匠の声には、どこか寂しげな響きがあった。
「今、俺は自分の勘で、もう一度でも冒険をすれば生きて帰ることはないと分かっている。だから、人生最後の冒険にこのダンジョンへやってきたんだ。」
そして、師匠は静かに続けた。
「俺がこれまでに考えついた言葉がある。『大いなる力には大いなる代償を伴う』。その結果、今の俺のような状況ができたんだ。」
そして少し間をおいてから、師匠はなぜ私を弟子にしたのかを語り始めた。
「お前、前に俺に聞いたよな?なんで自分なんかを弟子にしたんだってな。俺は…この世界に俺という冒険者がいたということを残したくて、お前を弟子にした。俺の知識や技術を次の世代に伝えることで、俺が歩んできた道が無駄ではなかったと感じたかったんだ。お前には俺以上の冒険者になってもらいたい。」
「師匠…」
「まぁ、俺だって腐っても冒険者なんだ。俺という冒険者がいたからコイツが生まれたってものぐらい作ってもバチは当たらないだろう?それと、さっきは冒険者になれといったが、お前に目指すべきものがあるならそいつを目指せ。俺なんかに縛られなくたっていい。お前がいつか誰もから尊敬されるような時が来た時にただ…俺が居たから今のお前が居る的な事を言ってもらえれば俺は十分だ」
やべぇ泣きそうほんとに泣きそう。オタクはこういうのに弱いんだ。私は詳しいんだ
「…わりぃな。今日はもう寝かせてもらう。さすがに眠い。今日くたばるつもりはないからな。お前も休んどけよ」
ステータス等の補足について
名前:(なし)なんでなしなの?あくまでこの世界での名前です。転生したから名前も生まれ変わらせという設定
種族:リビングメイル
レベル 10/10 Lock なんでLockされてるの?アルバくんもいうてこの小説の主人公ではあるので特別感出したくて進化に条件持たせました。覚えておいてほしいのはアルバくんはこの小説の主人公であって世界から見ると主人公ではない…ってこと
称号:ヴィルガルムの弟子 ここはあくまで彼の肩書というか今の地位とかですね。(ほかの方の小説みたいに称号に特別な能力を持たせる気は) ないです
スキル:細剣術 LV6/10 剣術(素人)どこいった?あれですあれ、素人スキルが一人前になって個性になる的な。専門的になったと捉えてもらって構わないです。
修復 LV5/10 修復がなんで上がってる?そりゃあおめぇいろんな奴らにぼこぼこにされたからですよ。ただし現状ではまだ大きな損傷は受けてませんが、細かな傷とかの積み重ねでここまで伸びました。 あと伸びた原因が普段の修行で半殺し連発
暗視 LV― これ生きてるん?一回発動させてからずっと使いっぱなしなので本人?本鎧も気づいてないけど暗視が聞いてるところがある(詳しいのはもう自分で脳内補完して納得してください)
反射速度強化 LV4/10 なんか新しいの増えてるんだけど?この世界では自分の行動や経験(EXP的じゃないほう。熟練度てきなほう)によって新しいスキルが芽生えることがあります。(そういうことなんです)アルバくんの場合は師匠がアレなんで反射行動の回数が並みよりかなり酷くなったので習得してます。
アーツって何?この世界でいう使うほうのスキル。魔法なんかはマジックアーツという。スキルはパッシヴ。アーツはアクティブってイメージで。入手方法は書物から習得、書物を読んで実践して習得。スキルが成長するとともに習得、大まかな内容を伝授してそれを実行して習得。ネトゲっぽいっで覚えておけば分かります。
ライトスラッシュ :ライトなんてついてるけど要するにただの強化攻撃 ちょいつよ
ピアススティング :細剣術の基本的なアーツ 貫通力強化して殴るイメージ
クイックスラスト :ドラ〇エのしっぷ〇づき 威力は控えめ 速さマシ
ダブルパスート :ニレンダァ!力をためて攻撃すると追撃がでるやつ
ブロックカウンター :ガードしてカウンター 終わり!
アキュラシーストライク:レイピアとかで力をためて突くやつ…の、マイルド版 序盤だもの
耐性:物理耐性 文字通り物理攻撃に強くなるやつ
刺突耐性 刺突に強くなるやつ なんで取ったのか?修行で察せ
痛覚無効 アンデッドだもんね痛くも痒くもない
精神耐性 アンデッドだもんね(ry)
状態異常無効 アンデ(ry) というかアンデッドの耐性が優秀すぎる
光属性脆弱 大 アンデッド定番弱点、光脆弱です。まずなんでこんなのあるかというと…
バランス調整もあるしお約束だから