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住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
騎士団に入れた私
51/65

51.わなだらけ

 そういえばこの状況に似た遊びあったな…なんだっけ…海じゃなくて…そうそう思い出した。波超えだよ。体育館の真ん中辺りに鬼役の人を立たせて、その鬼役のいるラインを超える遊びね。逃げるひとが横一直線にならんで駆け抜ける感じがまったく同じなんだよね。


 …つまりこれは波超え…



 「各員、用意はいいか」

 「3数えたら起動するぞ。絶対に遅れるなよ」


 「3」


 「2」


 「1」


 …さぁ、波超えと行こうじゃないか!


 「今だ!」


 聡明の鏡筒の一員らしき方が魔法を発動させたのか、床に描かれていた魔法陣は色を失い、魔法陣の上には少し見づらいですが透明に近い色の板が現れました。


 合図と共に私たちは駆け出しました。

ひぃぃぃぃぃ!なんか私やたら全力ダッシュする機会多くない!?疲れとは無縁な体で良かった!


 15人もの騎士が必死になって逃げるわけでもないのに全力疾走するという絵面を想像すると笑いそうになる。


 「きゃっ!」

 

 後ろから悲鳴が聞こえ、振り返ると女性の騎士が何かに躓いて転ぶ姿が見えました。その光景に思わず血の気が引きましたが、すぐに安心しました。


 「よいしょっと」


 なんと転んだ騎士をカイ団長が道端に落ちている石を拾うくらい軽やかに担ぎ、救い出したのです!!しかもお姫様抱っこで!!!!


 「ききききききき騎士団長!?」

 「良かった、間に合って。ケガは無いかな?」

 「だ、大丈夫です!それより…オロシテクダサイ…」

 

 女性の騎士の顔はもうボンって効果音がなってそうなぐらい真っ赤になってます。心なしか湯気も出ているように見えました。


 ウッヒョォォォォォォォォォ野生の百合だぁぁぁぁぁぁぁ!ごちそうさまでーす!!!


 やっべ何言ってるんだ私は 普通に今の緊急事態やったんやぞ。恥を知れ俗物。


 でもいいなぁ…あれ…あんなの夢女子キラーじゃん。裏山、私もあんなの”されたい”わぁ~


 「カイ団長!」

 「何してんだ団長!」

 「ほんとそういうことやめてください!!心臓が持ちません!」


 いやでもほんと…間に合ってよかった。あれ最悪団長が実質死ぬようなものだったからね?

 誰かを助けにいってその人も死ぬ。ミイラ取りがミイラになるなんて言葉があるんだから…カイ団長にはもうちょっとでいいから自身の命の重みを理解していただきたいね。あの人一人にどれだけの影響力があると思っているんだか…

  

 「…良し。転移罠にかかった者はいないな?」


 幸いなことに引っかかるようなまぬけは騎士団にいなかったようです。若干怪しい人は居ますけどね。それはさておいて全員無事に通り抜けられたようでよかったよかった。










 さて、これは調査が終わった後の私個人としての感想なのですが、この遺跡、いやダンジョンを作ったやつ。とんでもないくそ野郎です。性格がひねくれているだとかのレベルじゃありません。どこまでも腐りきっているとしか言えません。


 最終的に侵入者が死ねば良かろう精神。FPSで外道戦法を使ってそれを動画にして笑いと再生数を取るようなタイプ。ロシアを舞台に物資を巡ってサバイバルで殺し合いをさせるような企画をポンと出してきそうなヤツに違いない。


 私にはわかる…もしも私に匂いで悪人かどうか分かる特技があるとしたらそいつと会ったときにゲロ以下の匂いがすると躊躇なく言い放つでしょう。もっとも、生きて会えたらの話ですが。


 私はね。このダンジョンを作ったやつをね。



 許すつもりは微塵もないよ。冗談かって?


 まさか


 …このダンジョンのせいでとてつもない被害に遭いましたからね。



 

 転移罠を抜け、更に奥へと進むと部屋の様子が急変しました。歪み始めたとかじゃないよ?急にね。なんか部屋作りのルールでも変わったのかなってぐらいに変化したんですよ。壁床天井とあちこちに穴が開いているんです。穴の配置で通れないということは無さそうです。ですが私含めここにいる全員が感じ取っています。


 「この穴は絶対に罠だ。何かが絶対に出てくる」


 すごいよまじで。もうほんとあちこちに穴があるの。通り道はご丁寧に用意されてあるんだけどね…通れなくするつもりはないがそれはそれとして罠は仕掛けてやるといったところでしょうか。クソが。


 もうねー…なんていうんだろう。一発でイメージがつく例えとしたら四方八方に穴のあいたステージでその穴の中から出てくるキャラクターを片っ端から倒さないと負けちゃうモグラたたきってところかな。

 

 「…不気味な空間だ」

 「あちこち穴だらけで落ちたらやばそう」

 「中に何か入っているのか?」

 

 異様な空間に聡明の鏡筒の人ですらうろたえてしまう様子。なんだこのフラグまみれの空間は


 安心できる点はスイッチらしきものが見当たらないことかな。押した瞬間矢の雨に襲われるとかはなさそう。


 「注意して進めよ。ここまでの罠は俺たちでもみたことが無い。何をきっかけにして連鎖するかもわからん…」


 ゼナスさんでもみたことないのか…Aランクの人でも知らないとか絶対理不尽祭りになるだろうな。…怪我人が出ないといいけどなぁ。


 

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