49.続!遠征物語
遠征任務も今日で二日目です。初日は移動だけで終わりました。修学旅行みたいだね。実際は泥臭い仕事んですけども
眠る必要がないのでずっと火と寝ずの番をしようと思ってたんだけど他の騎士の経験になるのでしっかり私も休むように言われました。本でも持ってくれば良かったと後悔したのですが、これは遠征任務。旅行みたいに移動時間に本を読むなんてことは許されないのです。それが許されるのはお嬢様とかだからね。私たちの場合は仕事ですから。
暇な私は自分磨きをして時間を潰していました。文字通りね。油みたいな研磨剤的なアイテムがありましてね、それを雑巾に付けて身体のあちこちを拭いて磨いてました。頭が取れるから背中とかの見づらい箇所もなんのその、普通の人間と違って無茶な動きができるので細かな箇所も拭けてグーなのです。
どうよこの私の輝かしい姿!心なしか私のボディも喜んでいそうだ!ソウダヨー!ウレシイヨー!
ふざけるのもここらにしておいて、二日目のお昼頃には目標地点に到着しました。やはり馬がいると移動が楽だね~。戦争モノの小説とかだと歩きで移動が基本!とかいうのもあるからね。キツそう(他人事)
現地に到着した私達は哀れなスケープゴート間違えた先遣隊の方々と合流し軽い打ち合わせ。
お隣の領地の人なので失礼の無いようにと団長に釘を刺しておき、調査隊の方に話しかける。お髭がよく似合うおっちゃんって感じの人だね。
「タイダルナイツのアルバ・ローダンテです」
「『聡明の鏡筒』のゼナスだ。今回はよろしくな騎士さん」
おっとぉ?(二級特尉)聡明の鏡筒とはずいぶんと聞き覚えのある名だな?
「なんと!あの聡明の鏡筒のゼナス様でございますか?未踏破ダンジョンを踏破した噂は聞いております」
「なんだ?騎士さんも知っていたのか?」
聡明の鏡筒はAランクの冒険者パーティーだ。魔物の討伐よりも調査方面が強いパーティーと私は聞いている。もちろん腕っぷしもそこそこにあるので実力は確かといったところ。冒険者時代にはちょこちょこ活躍を耳にしたんだよなぁ…異世界らしくて色々と聞いて回ったよ。
「えぇ。私も一応ですが冒険者ですので。…まぁDランクですが」
私がライセンスを見せるとゼナスさんはかなり驚いていた。そりゃ普通冒険者が騎士になるなんて無いでしょうからね。
「驚いたな…!あんた冒険者だったのか?発行日は…おいおいこれまたずいぶんと最近じゃないか」
「そういうわけなので同じ冒険者としてもご気軽にお話ください。騎士と冒険者は仲が悪いという話もありますがね」
「そうだなぁ…俺としては別にあんたらみたいな騎士には抵抗がないんだけどな。ただどうしても俺たちのことを見下すのは…な?」
「冒険者を見下すだなんてそんな…!騎士になってわかりましたが、冒険者のフットワークの軽さと調査能力は騎士にも負けておりませんよ」
「はっはっは!騎士さんは変わってるな!あんたみたいなやつと仕事できるなら快く協力させてもらうぜ!」
「ご協力感謝いたします」
うんいい人だね。間違いない。騎士嫌いだったらどうしようって考えてたよ。お約束じゃん?騎士と冒険者って犬猿の仲だってのは。
「そうだ。あんたらの所の今一番偉い人は誰なんだ?リーダーとして是非とも挨拶しておきたいんだが」
「カイ騎士団長ですね。今お呼びしますね」
周囲を見渡すとルンルン気分で歩いている団長が居たのでとっつかまえる。いやーほんといいところに来たなこの人。
「初めまして!タイダルナイツの騎士団長のカイ・ルーシュです。今回はよろしくお願いします!」
「おう!よろしくな騎士団長の嬢ちゃん!俺は『聡明の鏡筒』を纏め上げてるゼナスだ」
「それにしてもなんでアルバが挨拶してたの?こういうのって私が最初にするんじゃないの?」
呑気におさんぽしてたあんたがそれ言うんか。
「部隊長から私が元冒険者なので話しやすいだろうと命を受けておりますので」
これからの大仕事を前に険悪ムードと情報交換ができないような関係を作ってしまったら目も当てられないからね…今回は私が交渉役といいますかなんというか。
このあとも何人かの騎士団員が挨拶に来ましたがゼナスさんが顔をしかめるようなことはなく無事にファーストコミュニケーションが終わりました。よかったよかった!本当に!!仲良くが一番!!こういう組織と組織の協力的転回ほんまスコークラフト
だがそれはそれとして私が必死に外交やってる間にお散歩だなん…ちょっと下っ端にしては激務過ぎない?




