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住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
騎士団に入れた私
47/58

47.追跡中 ~公務から逃げる我らの団長を追え~

 

 ここはタイダルナイツの集会室。名前の通り会議などがある際に騎士達はここに集められ、ここで話し合うという場所だ。今日、そんな集会室には額に汗を流しながら話し合う三人の騎士達が集まっていた…


 

 「見つけたか?」


 「いえまったく」


 「何処に行ったんだ団長は…」


 「私は町のほうへ見に行ってみるわね」


 「お願いします。私はこのまま館内を探してみます」


 「俺は屋敷の方へ行ってみる。団長のことだ…リーシャお嬢様を引っ掛けてサボっているかもしれない…」


 「…では、各自見つけれるように」


 「「了解」」


 突然のお通夜ムードに困惑するかもしれないが現在カイ団長捜索中である。あのアグレッシブイケメンガールがまた気づかぬうちに逃げ出したのでいい加減とっ捕まえて仕事をやらせないと私たちの事務処理が終わらない。それに…


 「「「これ以上レイナ様を怒らせたくない…!!!」」」


 今、騎士団内の団長室(兼執務室)には恐ろしいオーラに包まれている。理由は前述の通りというか察せ。あんな状態のレイナ副団長様に何か書類のミスでもしたら私ら多分楽に死ねない。近づいただけで虫が死にそうなオーラだよ。


 三手に分かれ、私は騎士団の拠点内を探索する。存在する部屋は粗方調べたがことごとく外している。キレそう。…一度落ち着け私。探し物をするときは焦らず怒らず落ち着いて探すんだぜ。なんて言うんだっけ…チェックシックスじゃなくて…ステイクールでもなくて…なんだっけ?忘れた。こういうときに(かっこよく)なんて言えばいいのか分からないの。笑えばいいよとかいったやつは引っ叩いてやる。誰がいつ笑えって聞いてんねん。こっちは団長がどこにいるのかを教えてほしいのよ。


 「しっかしカイ団長には困ったもんだぜ…まさかつよつよ団長キャラのお約束、公務をしないってのが私の来てしまった世界にも当てはまるだなんて…」



 フィクションを見る分には笑い話だけどその部下になる分にはキレそうになるよ!!どこぞの第二隊長的なキャラが手を焼いたりイラつくわけだよ!!勘弁してよ!終わりそうで終わらせれない仕事が貯まっていって神経が削れるんだよ!!


 「カイ団長め…捕まえたらレイナ様にこっぴどく叱られてもらうぞ…」

 

 怨嗟の声を漏らしながら次の部屋を調べる。次は…武具庫だな。ここに隠れていたことはまだ無いけど一応ね?


 武具庫の鍵を外して、ドアを開ける。うーん…ちょっとほこりっぽい以外は変わったところは無さそうだ。


 中はいつもと変わらず騎士団の予備となる鎧や剣といった装備が立てかけてあるぐらいだ。異常はなし。しゃーない、つぎつぎ。


 

 「へっくし!」


 はい?


 スタンドに着せられた鎧からくしゃみが聞こえた。…いやまさかね?


 私は恐る恐る鎧に近づき、バイザーをゆっくりと上げた。



 「…あ、見つかっちゃった」


 「うわぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!????」


 思わずしりもちをつくと、鎧は動き出し、部屋の外へと走って行った。


 「あ!?カイ団長!ちょっと何しているんですか!?」


 「さすがだねーアルバ!まさか私が隠れている部屋をピンポイントで見つけるなんて!」

 

 なんであの人鍵のかかった部屋に居るんだ!!?この部屋は私が持ち出した専用のカギかマスターキーでもないと…って


 「まさかカイ団長!?」

 

 カイ団長の腰にはキラリと光る騎士団の拠点内の全ての扉を開けることが出来るマスターキーが括り付けられてあった。


 「これは私の所有物だからね?じゃ、そういうことでー」


 そういうとカイ団長は私をほったらかしにしたまま逃げだした。


 「ちょ!何逃げだしてんだあの人はー!!」


 まてぇぇぇぇぇぇ!!!ここで逃がしたら次見つかるのいつか分からないんだぞー!!!



 急いで立ち上がり、カイ団長の後を追う。


 「待ってくださいカイ団長!!!書類が貯まっているんです!!!そろそろ処理してもらわないと困るんです!!いや書類よりもレイナ様が大変なんです!!」


 「嫌だよー!怒ってるレイナと話をしても何もよくならないんだもーん!」

 「あなたの場合は会話じゃなくて火に油を注いでるだけじゃないですかー!!!」



 この人何回か弁明しようとして余計に怒らせたことあるからね!?おかげさまで私らがどれだけ心をすり減らしたのか!


 「くっそ!まじであの人早すぎでしょ!」


 私とカイ団長の距離はどんどん離されていくばかりだ。アーツの応用で加速しても体勢を整えている間にそのまま逃げられそうだ。


 「悪いけど捕まるつもりはないよ!もう怒られたくないから!」

 「お願いですから大人しく捕まってくださいよ~!!!じゃないと私たちが怒られる羽目になるんですからー!!!」


――――――――――――――――――――――――――――――――


 くそ!あの人ほんとに人間かよ!なんであんな涼しそうな顔して早く走れるんだよ!!おのれ異世界!私の常識がボロボロと崩れていっちまうぜ!!


 「そこの騎士団長止まれ~!!公務執行拒否の罪で連行する!!」

 「団長権限で拒否しまーす!」

 「仕事から逃げる団長がどこにいるんですか!!せめて仕事してから言いなさい!!」

 「いーやーだー!!」


 だーめだこれ。これ追いつかないやつだ。ワンチャン迷って追い詰めたとかいうご都合展開を期待した私が馬鹿だった。あの人化け物じゃないの。もうチートよチーターよ。フィジカルモンスターやん。よしこうなれば…


 「ふん!」

 

 道中で拾っておいた小石をカイ団長へ向かって投げる。申し訳ないけど頭にでも当たればさすがに足が止まるだろう。うーん我ながらなんて完璧な作戦なんだ。来世は孔明を名乗ろう。


 私の手から離れた小石は放物線を描かず、ただまっすぐに前方に見えるカイ団長の後頭部へと迫っていった。そして、あと少しで命中するかと思う距離までいくと…


 「よいしょっと」


 「え?」


 カイ団長はあろうことか走りながら急に飛び上がったかと思うとオーバーヘッドシュートのように飛んできた小石を蹴り返してきたのであった。


 

 あれぇぇぇぇぇぇぇ?????


 「ごべっ!?」


 蹴り返された小石は私の顔面に当たる位置を捉えて命中した。鼻の奥がじんじん痛むような感覚に襲われる。なんで痛く感じるのか分からないけど泣きそう。涙が出そうになりながらも、なんとか体勢を立て直す


 「超エキサイティング!」

 「バトルドーム!ってやかましいわ!あんた本当に器用ですねぇ!?」


 いってぇぇぇぇぇぇ!!完全に今のは不意打ちだったぞ。あの場面から反射してくるだなんて誰が考えるよ!?


 「今のは決まったねぇー!さっすが私だ!」


 「いったたたた…まさかやり返されるとは…」


 ちっくしょー!!これもだめとなると後はもう増援ぐらいしか…でもここら辺に居るのは私ぐらいだし…ん?


 敷地を区切る門の辺りに5名ほどの騎士らしき人達の姿が見える。あれはもしや…


 

 「居たぞー!!カイ団長だ!!こんどこそ逃がすなー!」


 騎士の一人がカイ団長へ向けて指指すと、残りの騎士たちが雄たけびをあげながらこちらへと突撃してくるのが見えた。


 「うそー!?」

 「援軍きたぁぁぁぁ!!もう逃げられませんよカイ団長ぉぉぉぉ!!」


 私はすぐさま立ち上がり、5人の騎士と私で挟み撃ちの状況になるように動いた。


 

 「「「まてぇぇぇぇ!!!」」」


 迫りくる6人の騎士にさすがのカイ団長も逃げられないようで、団長は私たちに囲まれた。


 「ようやく捕まえましたよカイ団長!」

 「いい加減公務に戻ってもらいますからね!」

 「そろそろ俺たちも落ち着きたいんだよ!」

 「そーだそーだ!!」


 取り囲むなり騎士たちは団長へ向けて恨みをぶちまけた。まぁぶちまけられた諸悪の根源は苦笑いしているが。


 「いやぁ~とうとう捕まっちゃったか」

 「うぅ…これでようやくレイナ様が穏やかになられる…」

 「もうあの殺気に怯えなくてすむんだな…」


 先ほどまでの親の仇の如きの様子はどこに行ったのでしょうか。いまでは取り囲んだ騎士たちは皆泣き始めています。私にも涙腺があれば流していたでしょうね。安堵の涙を。


 それほどまでに極限状態のレイナ様は怖いのです。表面上は真顔なんですよ。ただオーラが…ユルシテ…


 「だがあんな空気も今日までだ…!!さぁ!公務に戻ってもらいますよカイ団長!」


 一人の騎士が団長の手を縛って連行しようとしたとき、縛ろうとした騎士は2mほど吹っ飛んでいました。


 何が起こったのか。そう、カイ団長がまたしてもやってくれたのです。ストリートファイトも真っ青な華麗なサマーソルトキックを。


 「うーん。捕まえたのはいいけど、最後まで油断しないってことを今度から訓練でも教えたほうがいいかな?」


 そういうとカイ団長は模擬刀を抜き、私たちをぼこぼこにしていきました。


 次に私が起き上がるころには鎧を脱ぎ捨てて身軽になり、模擬刀を肩に担ぎ、笑顔のまま踵を返してカイ団長が走り去っていく後ろ姿がありました。


「”あ”あ”あ”~~~もう!今だけはあのイケメンフェイスが憎たらしく感じる~!!!」






 その後、人海戦術でなんとかカイ団長を取り押さえ、団長室にぶち込むことに成功しました。


 その過程で負傷者が10名ほど追加で発生し、カイ団長にはレギルス様とレイナ様からこっぴどく叱られたようで、時折団長室からひんひんと泣く声が聞こえてくるとか


 ”あ”~”よかったよかった。これでしばらくは楽になる。


 

 

 


 

 



次話を投稿しようと書いていると…またしても累計ユニークがキリのいい所を突破していた…その小さな絶望の積み重ねが、人を焦らせるのです…投稿が遅れる理由はね…ネタ切れと展開に困って筆(指)が乗らないの…あと今になってここまで投稿してきた内容がもしかしたら小説としてダメダメなんじゃないかって気になって怖くなるの。


 なので良いにしろ悪いにしろ感想を良ければお願いします!!私としては趣味とはいえいいもの作りたいので…

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