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住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
騎士団に入れた私
44/58

44.主人公的展開

 戻るとそこは死屍累々な状態になっていた。あちこちに騎士団員の倒れた姿が…


 「いったい何が…」


 私が呟くと、同行していた騎士が騎士の一人に駆け寄り、脈を確認する。


 「おい!しっかりしろ!…息はしている。どうやら眠らされているみたいだ」


 訂正、お昼寝会場で。しかし、全員が一斉に眠っているなんて、そんなことがあるのか?疑問が次々と浮かんできた。私たち二人は倒れている騎士団員を集めて調べてみると、確かに全員が眠っている。これは異常だな。状態異常だけに


 「皆さん眠っておられますね…仮眠休憩…なわけありませんよね」と私が言うと、同行していた騎士は

 「あぁこれは明らかに攻撃だ。意図的に眠らせたんだろう」と答えた。


 この広範囲に及ぶ集団催眠のような現象は、魔法か何かだろうか?「複数人に作用する眠らせる魔法ってあるんですか?」と私が尋ねると、騎士は首を横に振った。「俺の知る限りでは、そのような魔法は無い。」


 じゃあいったい…いつぞやの時みたいにあの花が咲いている感じもなさそうだ。…この人からも甘い匂いなんてしない…おや?


 「これって……すいません!ちょっとこっちに来てもらえますか?」と私が呼びかけると、「何か見つけたか?」と騎士が駆け寄った。眠っている騎士のうなじの辺りを見せると、薄く紫色に変色した箇所に小さな棘やダーツのようなものが刺さっていた。


 「これ…明らかに人工物ですよね。吹き矢とかそういった」


 「あぁ…となると倒れている騎士たちは全員…?」


 ほ~ん…となるとこれ…


 「「まずくない?」」


 きれいにハモった。とかふざけてる場合じゃない。


 「完全に魔物の襲撃で片付けられなくなりましたね」


 「冗談じゃない…アルバ、悪いが俺は応援を呼んでくる。最悪は団長を呼ばなければいけない可能性もある」


 深刻そうな顔をしながら提案をした後、突然顔を青くする団員。何かあったのかな

 

 「…その間、寝ている奴らを守るのがお前ひとりになるが…」


 確かに二人で全員が目を覚ますのを待つのは危険だ。ここで全員を待っている間に襲撃されてしまったら、それこそ何もかも終わる。


 「心配しないでください。私だって結構やるんですよ?たとえ襲撃されたとしても…増援がくるまでは死に物狂いで耐えてやりますよ」


 「すまない…俺もできるだけ急ぐが…」



 私たちは守りやすいように寝ている騎士たちを一か所に固め、なおかつテントを被せて狙われないようにする。これなら狙われるのは私だけになるだろう。


 「それでは…援軍、よろしくお願いしますよ?」と私が頼むと、「あぁ…後は任せた」と騎士は答えた。


「できればお早めにお願いします。死体が一つ増える前に」と私が言うと、「できるだけ急ぐ」と騎士は約束した。


 「わかりました。それでは」


 馬に乗って走り去っていく騎士を見ているともしかしてあいつがやったんじゃないかって思ってしまった自分を殴りたい。同じ騎士団の一員なんだ、信じてやらないとだめでしょうが。


 「さてと…できれば何も起きずに時間が進めばいいんだけど」

 と独り言をつぶやきながら、私は警戒を強めた。あれこれってフラグなんじゃ…






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「やっぱあんなこと言わなければ良かった。あいつも道連れにしたほうが精神的には楽だったな」

 

 そう独り言をする私の前には以前私がダンジョン内で出会ったゴブリン的なモンスターことレッサーリングの軍勢が広がっている。おいおいおい、無双ゲームかなんかかよ。


 彼を見送った数分後にどこからともなく変な玉がここに飛んできて、それが爆発すると周囲に変な香りが広がった。甘いような…イライラするような…興奮するような感じの…表現はしづらいけど私にここまで反応させるってことは…魔物寄せ、もしくは魔物を興奮させるような効果のあるものだと仮定した。


 で、そのあとにはこいつらの汚い鳴き声が聞こえてきてあっという間に囲まれました。これで二回目だよ。


 「アギャギャギャ!」


 「ギャギャ!」


 「うわーお相変わらずすっげぃキモイ面してんな」


 それじゃあ…頑張るか私。ここには8人の騎士が無防備なままになっている。しかも女性の騎士もいる。もし私がいなかったら…対象年齢が急に18歳以上になる事案に…悪いが私ゴブリン凌辱だのリョナ的なやつは性癖じゃないからお前ら全員ぶっ殺してやらぁ!!


 周囲を見渡し、レッサーリングの数に圧倒されながらも決意を固めた。絶対に全員守り抜くと心の中で誓った瞬間、最初の攻撃が始まった。


 レッサーリングたちは一斉に突進してきた。瞬時にその動きを見極め、持っている細剣を構えた。敵が近づくと同時に、一気に前に踏み込んで鋭い斬撃を繰り出した。シャープエッジの一撃が閃くたびに、数匹のレッサーリングが倒れていく。爽快感はあるがそれに浸っている暇は無いな。


 「アギャギャギャ!」


  レッサーリングたちは次々と襲いかかるが、私の剣技と冷静な判断力は彼らの攻撃をことごとくかわし、反撃のチャンスを逃さなかった。隙を作らず、逆に相手の隙を突くように、私自身の性能を一番活かせる方法。蝶のように舞い、鉢のように刺す!避けたらカウンターを徹底して行う!


 戦いの最中、リビングアーマーとしてのフィジカルの強さが発揮される瞬間が次々と訪れた。ほんとモンスターで良かった。こんな状況人間だったらチートでもないと速攻でお陀仏だよ。


 突然、背後からの攻撃を感じた私は、素早く振り返り、振り下ろす剣で後方から襲ってきたレッサーリングを一掃した。


 「まだまだ!」

 と気合を入れ直し、次の攻撃に備える。しかし、敵の数は圧倒的だ。







「…本当にこれ援軍まで守り切れるのか?」


 その問いが頭をよぎるが、必死にそれを振り払った。この状況で弱気になったら動けなくなる。思考加速を使い、自分の思考を加速させ、状況を瞬時に判断し、攻撃のタイミングを見極める。


 レッサーリングの一群が一斉に跳びかかってきた。瞬時に身を低くし、剣を地面に叩きつけると同時に周囲の敵を一掃する斬撃を放った。剣が地面を掠め、接近していたレッサーリングたちを吹き飛ばす。しかし、敵の数は一向に減らない。くっそ!多すぎだろ!


 次に現れたのは、巨大な身体を持つブルートと呼ばれる個体だ。圧倒的な力を前に、一瞬ひるんだが、すぐに気を取り直し、攻撃を開始した。しかし、レッサーリング・ブルートの一撃は重く、アルバの鎧に深いへこみを残した。あの○○○○の(規制音)野郎!!!こんな時に出てきやがって!!


「いい加減これで終わりにしてやる!」


 再び剣を構え、残りの敵に向かって突進した。剣が光るたびに、レッサーリングが次々と倒れていく。だが、一瞬の隙を突かれ、レッサーリングの一匹がテントの方向に駆け出した。


「まずい!」


 一瞬頭が真っ白になりかけたが思考加速のおかげで切り替えに成功した。それに気づき、慌てて追いかけたが、敵はすでにテントの中へと潜り込んでいた。入り込んだやつは眠っている女性の騎士を見つけると歪んだ笑みを浮かべた。


 「その汚ぇ手で私の仲間に触ろうとしてんじゃねぇ!!」


 テントに飛び込んで剣を振るうと歪んだ笑みを浮かべたまま首を刎ねられ動かなくなった。


 「…良し。まだ何もされてないな…薄い本みたいなことにさせてたまるかってんだ」



 仲間たちの無事を確認しながら、再び外へと駆け出した。だが、その瞬間、さらに多くのレッサーリングが集まってくるのを目撃した。


 「いつまで続くのこれぇ…?」

 そう呟きながらも剣を再度構える。


 レッサーリングたちが一斉に襲いかかる中、鋭蜂化を発動し、魔力を剣に通して攻撃力を高めた。握られた刃がより鋭くなり、敵を次々と倒していく。一匹、また一匹と倒れていく。しかし、次第に私の心の中に疑念と絶望が広がっていくのを感じた。


 「いつまでこれは続く?」


 「仲間たちをまだ守れるのか?」


 その思いが私の心をボディーブローのようにじわじわと蝕んでくる。


 「教えてくれ…私はあと何体殺せばいい!?私はあと何回このクソったれ共を殺せばいい!?ゼロは私に何も言ってくれない…誰か教えてくれ!」積もる不安を言葉として吐き出して自分を落ち着かせる。


 やがて、私の剣が折れた。師匠から譲り受けた剣が折れた。御下がりとはいえ折れてしまった。「やらせはせん…私の仲間はやらせはせんぞ!!」と叫びながら、折れた剣の柄や籠手での殴打で敵を打ち払い続けた。レッサーリングたちの攻撃が次々と鎧や兜に命中し、へこみや傷が次第に広がっていく。鎧の一部が割れ、兜も歪んで視界が狭まる中、私は…精神的に追い詰められていった。


 次の瞬間、さらに強力な個体が現れた。スカウトという足の速い個体が素早い動きで私を取り囲み、シャーマンという個体が遠距離からの攻撃を仕掛けてきた。必死に敵の攻撃をかわしながら反撃するが、状況はますます厳しくなっていく。帰りたい。


 「あぁもう…いつになったら終わるんだよ!!負けイベかなんかかよ!!!?」

 

 次々と襲いかかるレッサーリングたちに対して一撃で複数の敵を吹き飛ばし、鋼の体が傷ついてもなお戦い続けた。リビングアーマーとしての耐久力と力強さが発揮され、なんとか敵を次々と倒していった。



 最後の一匹を倒した瞬間、アルバは膝をついて鎧の破片を拾い上げた。


 「あぁ…やっと終わった…NKT…」


 しかし、その安堵の瞬間、さらなる魔物の鳴き声が森の奥から響いてきた。


 「最悪…終わった…だっる…」


 立ち上がり、周囲を見渡した。次々と現れる魔物たちが迫ってくる。


「贅沢言ってる場合じゃない…もうやるしかない」

 

 私はそう考え、普段はあまり使わない力を引き出す決意をした。


 「蔓の鎧…ドレインシード…光合成…」


 蔓の鎧を発動し、鎧に蔓を這わせ防御力を強化した。さらに、ドレインシードを手から生成し、魔物たちに向かって投げつけた。光合成を発動して能力を上げる。


 「もう化け物だなんだと言われてもいいよ…みんなが生きて帰れたら…」

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