表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
はじまりのものがたり
35/58

35.草生えてる系主人公

 すげーな異世界。やっぱり異世界では常識にとらわれてはいけないってことなのね。ありのまま今起こった事を話すと、ひし形のマジックアイテムを使うと光に包まれて、いつの間にか森の入り口にいた。何言ってるんだって思うかもしれないんですけど、仕組に関しては私も何が起きたのか分からないんですよ。いやほんと催眠術にかけられた~とか、実は超スピードで移動させられた~とかそんなチャッチィものじゃなくて本当の瞬間移動ってやつなんですよ。すごいね。異世界ならではの片鱗を味わったね。


 森の入り口には、武装したギルド職員たちが待機していたが、最初に会った職員らしき人間が私の方へ駆け寄ってきた。


 「戻りましたか!アルバ…さん!?」


 職員たちはその声に驚き、目を見開いた。新しい外見に変わったアルバを見て、誰もが驚愕の表情を浮かべ、すぐに警戒態勢を取った。


 あ


 「誰ですか貴方は!!そのマジックアイテムはアルバという冒険者に持たせた物です!何故貴方が持っているのですか!」


 やっべべべべべっべべべべべべべ!?忘れてたー!?そうだよ、私進化したんだった!前と比べたらかなり変わっていたんだからこうなることを予測しておくべきだったー!!!


 「ストップ!ストップ!!スタァァァァァァップ!!」


 私の訴えにより何とか剣を納め…てはないけど職員の人たちは下ろしてくれた。場が落ち着くと、私は自分がどうなったかを説明した。


 「…あなたが進化したアルバさんだと…?」


 「そうです。あの甘い香りの正体を調べている際に原因と遭遇して、そこで進化したんです!」


 職員たちの顔には一瞬の驚愕が浮かび、その後に警戒の色が濃くなった。


 「確かに…納得ができる内容です。…ですが、個人としてはあなたが本当にアルバさんなのか疑わしいです。」


 なんでやっ!?信じられんって顔してるし!!


 「…ですので、一つ貴方に質問をしましょう。これに答える事が出来れば、素直に認めます」と、その職員が険しい表情のまま続けた。


 「わ、分かりました。いいでしょう。なんでも言ってください」


 だ、大丈夫だって…こういうのって私ぐらいにしか分からなさそうなマイナーな質問ってのがセオリーでしょ?(マイナーだけど)私ならきっと答えれるって…大丈夫…だよね…?










 「では…アルバさんが冒険者になってから初めてやってしまったミスは?」


 「ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 アルバの叫びが森にこだました。





 痛い…痛い!心が痛い!!!!よりによってなんでそれ聞いてくるんだよぉぉぉぉぉぉっぉおぃおいおいおいおい!


 「な、何故それを……フクシ草とよく似た、痒みに襲われる草と間違えたことです…」


 すると、一部の職員が笑いをこらえきれずに吹き出し、他の職員は目を丸くし、信じられないというような表情で見つめた。


 「すごい…こんなことが起こるなんて…」


「本当にアルバさんなんですね…。無事で何よりです。」


 無事じゃねぇけどな!?久しぶりに心をえぐられたわ!!一生懸命作った砂の城をブルドーザーでめちゃめちゃにされた子供みてぇな気分だよ!!


 「うぅ…ともかく、これで分かってもらえたようなのでいい。いいんですよ…うぅ…」


 「も、申し訳ありませんアルバさん…アレしか無いと思いまして」


 ギルドの職員としては120点!!人間としては50点だよ!!!!


 「はぁ…とりあえず元凶は見つけて始末してきました。これを見てください」


 私は枯れ果てた花の残骸を見せた。


 「なんとこれが…一見普通の花に見えるのですが…」


 「私ですら近づくとかなり甘く感じましたよ。あれをまともに嗅げば間違いなく体調を崩すと思います」


 「なるほど…他には何かありませんでしたか?」


 「うーん…」


 これは…言っていいのかな?


 「…この花、はじめは甘いにおいを出すだけの花だと思っていたのですが、何故か私に向かって振り向くような動きをしてきたんです」


 「花が…動いた!?」


 職員たちの目が再び驚愕に見開かれた。


 「はい。その後に背後へ回ってから少し目を離した隙にまたこちらへ向き直っていたので、何かおかしいと思いこの花を切断したんです」


 「切断した時には恐ろしい叫び声をあげておとなしくなったんです」


 職員たちはその言葉に耳を疑い、顔を見合わせた。


 「…それがあの声の正体だったんですね?私たちのほうまで届いたので何事かと思いました」


 職員の一人が納得するように頷いた。


 ここまで届いてたんだ…そりゃあんだけうるさかったらもしやとは思っていたけど。


 「切断しておとなしくなった後、拾ってみるといきなり花が動き始め、私の腕に寄生しようとしてきたんです。私の腕に根を張ってきたかと思えば、私の力を吸い取るようなことをしてきたんです」


 「腕に…!?」


 職員たちは驚愕の表情を浮かべたままだった。


 「あぁ、大丈夫です。何故かはわからないんですけど、自分の力の流れのようなものを意識で掴むことが出来まして、それを力いっぱい引くとこの花の力を逆に吸い取ってしまったようなのです」


 「それでこんな枯れた状態に…ということは今のアルバさんのその姿は」


 「おそらくなんですが、あの花の力が影響したんだと思います。あと単純にかなりの経験値を得ることが出来たのでそれもあるかと思います」


 「なるほど…わかりました。ではギルドマスターに報告をお願いします。私たちは念のために少しここを調査してから戻ります」


 職員の人たちへ別れを告げ、ベルミアへ向けて足を進めた。












 この後ギルドマスターに報告するまでに4度ほど似たような誤解のやり取りをした。急遽進化してしまったこの体のせいで…私の心はボドボドダァ!!

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ