30.アンデッドでなければ即死だった
「うわ~…こりゃひどいことになってますね…こうなってたらそりゃ手足動かなくなりますよね。だって繋がってないんですから」
ケンジに引っこ抜いてもらったあと兜だけの状態でケンジに持ってもらい、自分の体を見ると…うわぁ…って感想しか出てこない参事だった。いやこれ人間だったら想像したくないね。FATALITYって出てきそうなぐらいのスプラッタだよ。
「あのさ、一つ言っていいか」
「なんでしょうか」
頭を回してケンジの顔を見る
「あんた俺がそんなバラバラな状態を見ていることに疑問もたないのか?」
ケンジが少し眉をひそめる。状況を理解しきれていない様子だ。
「はい?」
「お前、魔物だよな」
「はい」
「冒険者やっているよな」
「はい」
「…おかしい所だらけじゃないのか?」
「何か変なところありましたっけ?」
ケンジが頭を抱えながらため息をつく。なんだその私のほうが変なことを言ってるみたいな反応は
「は?お前魔物だよな」
「そうだって言ってるじゃないですか」
「お前…いや、なんで魔物が冒険者やってるんだよ」
私は驚きと共に返答する。
「え?なんで知らないんですか?」
「逆になんで俺が知っていると思ってんだよ!」
はーい!話が成り立たないアホがひとり登場~質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ !(ブーメラン)
「え?…あ~…ケンジさんって最近ベルミアに来たんでしたもんね。すっかり忘れてました」
「…説明。あるんだよな?」
「えぇ」
_人人人人人人人人_
> 魔物説明中… <
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「じゃあなんだ…俺はいらぬ心配でずっとビビってたってことか…はは…」
ケンジくん落ち込んじゃった。どうしよ(無視)
しかしこれ修復で直るんかなぁ。今まで小さな損傷しかしたことないからここまで酷いのでもいけるのか不安。とはいえやってみなくては分からない。というわけで『修復』だー!
私が修復を使うと、いつもとは違い(あ、いつものは徐々に空いた部分を埋め立てられてく感じね)私のボディのがら空きになった箇所から黒いモヤが出始めた。
「うおっ!?なんだ?」
あ、戻った。
「私のスキルです。修復ってやつなんですけど…いつもとは様子が違うんですよね」
黒いモヤは空いた部分を補うように固まると動きを止めた。なんかあれみたい。プラモとかにつかうパテってやつ。いやほんと似てる。昔動画でパテ盛りするやつみたときこんな感じだった。
「それ直るのか?俺からだとすでに手遅れな気がするんだが」
「ふふん。リビングアーマーを舐めないことですね。この程度の損傷あっというまに直してみせますよ。多分…」
「今何か心配になる一言があったような…」
あー!あー!聞こえなーい!!
「心配しないでください。絶対回復しますよ。信じてください。私を信じる。私を信じろってやつですよ」
「…まぁ、わかるようなわからないような」
大丈夫大丈夫、ギルドの資料にも上位のリビングアーマーの種の自己修復能力は非常に厄介だって書いてあったんだから!
お、とか話している内にモヤがまた動きだした。わぁ。ちょっと体の方がガタガタしだした。そういう雰囲気のあるところで起きたらホラーだけどこういうところで起きると痙攣起こしてるみたいでシュールなんだよね。
「おい…?なんか震えだしたんだが」
「もうちょっとで完成するってことじゃないですかね」
何故か私を持ったまま後ろへ下がりだすケンジ。あの人のこと爆弾かなにかだと思ってません?アンデッドでも心は人間だから傷つくよ?
震えが収まると、黒いモヤは鎧の中に戻っていき、モヤに覆われていたところは綺麗さっぱりに直っていた。
「…すごいな。ほんとに治った」
「ふっふっふ。本体…来ましたか…」
「ドヤ顔してないで早く元に戻ってこい」
そういうとケンジは私(頭)を体の方へと放り投げた。
あーやめてー!乱暴に扱わないでー!
「扱いが酷くないですか?これでも私と貴方仲間なんですけど?」
「自分の頭をドッジボール感覚でキャッチしてるお前には言われたくない」
「え?」
うわッ!体動いてる!!なんで!?まだ頭くっつけてないじゃん!
「あれ?私まだ頭付けてないのになんで動いてるんだ?」
「おまえ鎧が動く魔物なんだからそういうものじゃないのか?」
「あー!そういえばそうですものね」
そういわれたら確かに結構前に頭だけ取り外したことあったわ。忘れてた忘れてた。危なかった。ありがとうケンジ。これで伏線回収できたよ。
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おまけ
「おー見てくださいケンジさん。私分離できるようになりましたよ」
「頼むから腕だけ切り離して歩かせるのやめてくれ気持ち悪い」
「ブラッディシージ!」
「辞めろ!頭も含めてバラバラになるな!」




