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住人志望のアルバ  作者: 星を見る猫
はじまりのものがたり
26/58

26.世界観が違うだろ世界観が!!

 移動先を見ると、3体の内1体はケンジに撃ち抜かれたようで、口から泡を吹きながらぴくぴくとしている。つまりあと2体。


 「ガウッ!!」


 片方のバンデッドウルフが私の方向へととびかかってきた。焦る必要はない


 「甘い!」


 飛び掛かってきたバンデッドウルフの爪を横へ受け流す。飛び掛かる獣の動きはネズミで勉強済みなんだよ!

 

 「リニアショット!」


 勢いを流され、地面に倒れこんだバンデッドウルフへすかさず追撃を入れる。


 「キャウンッ!?」


 細剣が勢い良く腹部へと刺さり、バンデッドウルフは悲鳴を上げるとすぐにぐったりとして動かなくなった。


 「残り1!」


 あと1体!あれ待って。その残りどこ行った?


 「アルバ!頭下げろ!!」


 「え?うわっ!?」


 ケンジに言われた通りに頭を下げると私の後方からさっきの銃声とバンデッドウルフの悲鳴が聞こえた。振り向くと、最後のバンデッドウルフが地面に倒れ、動かなくなっていた。


 「ヒャウッツ…ありがとうございます…」


 思わず息をのんだような声がでた。あっぶな…後ろに回られていたのか…


 「すまん。仕留める前に見失った」


 ケンジの声には申し訳なさがにじんでいたが、その表情には安堵の色も見えた。

 

 「い、いえ…私も目の前の一匹に気を取られすぎました。まだまだですね私は…」


 最近格下も格下ばかりと戦っていたかな…気を引き締めていかないと足元掬われる。何はともあれ、私たちはバンデッドウルフの3体を討伐することに成功した。悪いけど恨まないでね。これも仕方がなかったんだから。


 私とケンジは倒したバンデッドウルフからそれぞれ尻尾を剥ぎ、残りも慎重にはぎ取った。…当たり前なんだけどネズミと違って剥ぐのが難しいな…見よう見まねで覚えたオタクにはちょっと厳しいぜ…


 「なんとか倒せたな。すまないなあんた一人に全員押し付けるとやっぱりキツくなるよな…」


 ケンジが申し訳なさそうに言う。まぁきついと言われればきついけど…このキツさは…


 「いえ、これも訓練になると思えば辛くありません。むしろ最近の私は少し緩みすぎだったんだといい経験になりました」


 必要経費ってぇ~やつよ。


 「それより…説明してもらっても?その貴方の手に握られた鉄の杖について」


 私が改めてケンジに向き合い、声を掛ける。


 「…」


 声を掛けてみたがやはり反応は良くない。ってか一つ言わせろ。


 なんでお前ライフルなんかもってんじゃぼけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!

 いきなり背後から銃声して死ぬほどビビったんだが???????心臓口からはみ出るかと思ったよ??????てか異世界に簡単に鉄砲なんか持ってきてんじゃねぇよ世界観バグるがな!?




 「…俺のスキルだ。魔銃使いといスキルで呼び出して使うことが出来るマジックアイテムだ」


 でしょうねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????はー(クソデカため息)まったく主人公ときたらどいつもこいつもやれ魔剣だの魔銃だのポンポン出しやがって。お約束ってのが分からねぇのかオメーらはよォォォォ!


 「魔銃…ですか。なるほど、確かに弓に似たものですね。それにしても…」


 私はケンジが仕留めたバンデッドウルフを見る。着弾したところは駄目になったがそれ以外はとてもさっきまで生きていたとは思えないキレイな状態だ。ただしよく見ると着弾場所に限っては見るのもおぞましい。想像以上に肉がえぐれている。


 「かなりの威力ですね。音とこの傷跡からまともに喰らいたくはない代物ですね…これなら秘匿したがるのも理解できます」


 「…それ以上聞かないのか?」


 言ったところで言わないだろうから今回はこの程度で許してやろう


 「どんな冒険者だって人には言えない秘密くらいは持っているものですよ。もちろん私もそうですが。ですが貴方の場合そのスキルは上手く誤魔化したほうがいいと思いますよ。派手ですし」


 「…ありがとう」


 「さて、それじゃあ残りも片付けてしまいましょうか。朝までに見つけてちゃっちゃと帰りませんか?」


 「あぁ分かった。次も前衛よろしく頼むアルバ」


 おっと。あったばかりの相手なんですけどね。ケンジのこんな顔は初めてみました。

私が深掘りしなかったことに安心してもらえてたんですかな。先ほどと比べてかなり表情が緩んでいます。…まぁ別に?こいつハーレムしてませんし?そんなに毛嫌いはしなくてもいいとか考えてたり?異世界で銃を使うってところは気に喰わないけど…まぁかっこいですし?許してやらんことも(激チョロ)


 「任せてください。今度は油断しません」


 残りの3体を見つけるため、私とケンジは夜の静かな平原を進んでいった。

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