21.くらくても いまはたいして こわくない ばけものだもの あるば
ベルミア外れの夜の森へやってきました。うーんマイナスイオンを全身で受け止めていますわよー。呼吸もしないでどうやって取り込むっていうんだよ。私の記憶にあるフクシ草の群生地はたしかこの近くだったと思う。見落としのないように進んでいこう。
「フクシ草、フクシ草…確か、葉っぱが丸くて、茎が少し青みがかっているのが特徴…月光草のほうが…名前の通り月明りを浴びると淡い光を放つからそれを頼りに…。フクシ草、フクシ草…確か、葉っぱが丸くて、茎が少し青みがかっているのが特徴…月光草のほうが…名前の通り月明りを浴びると淡い光を放つからそれを頼りに…」
何回も言わないと忘れるからね。もう二度と納品するときにあんな大恥かいてたまりますかってんだ。さて…私のご所望の葉っぱはどこかな~…
森を進むうちに少量だが、ブースタンやテイデン草も見つかった。これはこれで美味しいのでちょこちょこ拾っていこう。どうせこんな深いところなんか私ぐらいしか通らないから次来るときに良い感じに生えるぐらいのペースでね。
道草を文字じ通りむしり取りつつも森を歩いていると木が薄い、開けた場所に出た。広がっているのは~…?お待ちかねの…フクシ草でーす!いやぁしかもタイミングがいいことにちょうど良い感じに月明りが当たって葉っぱが照らされていて分かりやすい!
私はさっそく目的のフクシ草を慎重につかみ取り、専用の袋に入れる。あとで聞いた話なんだけどこの袋この町だと薬師さんぐらいしかもってないヤツらしく、なんでも複数の種類の薬草をまとめていれても取り出すときには分別して取り出せるというシロモノらしい。それ使って鑑定できないのって考えたひともいるらしいけど似た特徴を持つ同士でひとまとまりになっちゃうらしい。世の中甘くないねー。
かなりの量が取れたのでそろそろ月光草を取りに向かおう。月光草は確か…ここら辺で…おや?
月明りが射すとはいえ暗い森のなかに一瞬光が見えた気がする。
「あの感じ…月光草の光かな?」
光の見えた方向へ進んでみる。途中、小さな川が流れている場所に当たったがそこまで深くないので突っ切ることにした。水の中に足を入れると冷たさは感じませんでした。衝撃とかは感じるけど温度は感じないのか私……
鉄塊の私からするとこんなちょっとした川程度なら流れなんかあってないようなもので特にスピードが落ちることなくさっさと横断しました。川を渡り終え、少し進むとまたキラッと何か光が見えたような気がしました。さっきより強く見えたんで多分近くにあるはず。
森の奥へ進むごとに、光はほんのりとした微かな光りに変わり、ついに月光草の群生地にたどり着いたようだ。月明かりに照らされて淡い光を放つ月光草が、まるで夜露に濡れた宝石のようにささやかに輝いている。
「エモい!!良い!!」
失礼しました少々興奮が出てしまいました。いやほんとキレイ。風情に疎い私でもこれはわかるね。とはいえいつまでも見とれている暇はないので、さっさと回収してしまおう(ただし摘み取る際は慎重に…あんまり荒っぽく採るとダメになっちゃうからね)
「さてこれで目的は果たしたし…時間は…う~んまだ分かるほどではないか。全然暗いままだ。多分2時とかそんな頃かな?」
もうちょっと寄り道…いやでもそろそろおっかないのが動き出してそうだ。肉食系に見つかったら猛アタック(物理)されるし…うん、さっさと帰るか。
私が帰ろうとして袋を仕舞うと突然白っぽい光が森の奥で一瞬だが輝いた。
「…しまった今のはフラグだったか。しゃあなし、調べに行きますか。もしかしたらギルドから報酬貰えるかもしれないし」
森を掻き分け進んでいくと閃光が起きたらしき場所にたどりついた。
「なにが起きたかな~…って、はぁ!?」
辺りを見渡しているとそこには…そこには倒れている人が居た。何が起きたのか見ただけで私にはすぐわかった。いや、分かってしまった。彼の服装は現代的で、まるで日本の学生のような制服を着ている。
悲報、異世界にて自分以外の転生者に遭遇したった。ただし気絶中




