14.大事なことを忘れていた。
そういえば…師匠は上を目指せって言っていたな…ダンジョンを逆走するとか展開的には珍しすぎるけどね。普通は降りて最下層でボス倒して帰還!!ってのが定石だもんね。…上を目指せ…なんか重要なこと……あ…待ってそういえばあれ読んでない…絶対に重要なことがある…けどなんだっけあれって
「なんだっけなぁー…確か…本じゃなくてメモでもなくて…しゅ…しゅ…?」
師匠の手記!!!
そうだよ!めちゃくちゃ重要なヒントじゃん!私に言いたいことは全部そっちに書いてあるって言ってたじゃん!!なんでそれに気付かなかったんだ私は馬鹿か!?
私は急いで師匠の荷物の中から手記らしきものを探し、手記の内容を読んだ。内容に関しては…詳しく話すと夜が二つぐらい過ぎる量だったので、簡単にまとめさせてもらおうと…1.師匠はギルドの方に2カ月以上連絡や戻ることが無かったら捜索はしなくていいって連絡済みなこと。まぁなんというか師匠らしいというか…未練は無かったんだろうね。これ以上長生きしてもやることが無いとか書いてあるし。
2.この荷物は私が使ってもいい。…らしい。う~んこれほんとにいいのかな。どうしても日本人の血が騒いで遠慮したくなるんだけど…まぁ持っていくものはあとで考えればいいか。
3.願い鉄という物を託された件について。どうやら師匠、いつだかは分からないけど願い鉄っていう石を手に入れたらしい。不思議な事に師匠本人もいつ手に入れたのかは分からないけど、所持している人の願いや思いを蓄積し続けて溜まりきると所持者が望む形に変わるらしい。ものすごいオーパーツだと思うんだけど師匠にはもうすでに願いが無かったらしいからね。で、未来ある若者の私に託すからいつかその石に認められるようになれとのこと。…私が望む形ねぇ…いや考えてはあるけど本当にそうなるのかは分からないし…気長に行きますか。
4.なんらかのアーツ?をまとめたもの。どうやら細剣術のアーツを自分が知っている限りを書いてくれた…らしい。…らしいってどういうことって思うかもしれないんですけど、むかつくことに師匠その肝心な部分に特殊なインクを使って書いたらしくて私の細剣術が一定に達しないと読めないようにしてあるらしい。あの老いぼれ死後もやっかいなことしやがって。まぁでも一部はすでに読めはするんですよね。現状で分かる範囲で言うと…
・フローランス:流れるように突きや斬撃を混ぜた攻撃。
・クレセントエア:下から上へ半月を描くように斬り上げ、その勢いを使って空中へ跳ぶ。
・リニアショット:ピアススティングの派生 速度と鋭さが増した。
今読めるのはこの三つ。ちなみにあと5個ぐらいある。このアーツを最初に形にした人って大変だったんだろうな…名前と構えを考えなきゃいけないとか。
あとは師匠からの…ね…がんばれとかの…応援が…
「…泣いてねぇし…ていうかそもそも泣けねぇし…」
ぐすん。リビングアーマーだって心の中だと感情は抑えきれないんだぞ…?声とかには感情は出るけど表情は無いけど。そういえばここって6階らしい。師匠にとっては駆け出しのころに初めて入ったダンジョンらしくて、もし死ぬなら故郷よりもダンジョンの中が良かったらしい。冒険者ヴィルガルムとして死にたかった。だそうです。でここから上へと昇っていくと出る魔物は弱いやつになっていくから…意外と早く地上に到着するのかな。まぁ師匠からしたらあいつら全員雑魚なんすけどね。でその7階より上に出てくるのがジャイアントバット、スケルトン(普通の)、ジャイアントラット(とりあえずデカいのにしておけばいいとか思ってるだろ)ポイズンスパイダー、レッサーインプとからしい。あとスライムも1階とか2階とかに出るのと7階に出てくるのとだと種類が違うらしい。浅い階にいるほうがもっと澄んだ色をしているらしいよ。どうりで私が見たスライムかわいくねぇと思ったは色もなんか濁ってそうだったし。ちなみに師匠からはここまで育った私ならここらの魔物は簡単に倒せるからさっさと昇ってしまえって書かれていました。
「いちいちうるさいんじゃい!」




