11.取った!!第三部ッッッ!!完!
私…やるんだな!今…ここで!!
ああ私!勝負は今!!!ここで決める!!。今しかない、あの師匠が疲れてきている今が絶好の攻め時!息を整えられたら確実に逃げられる。
私の全力の突進に対して、師匠は一瞬驚いたような表情をしたがすぐに鋭い目つきに戻り構え始めた。そうだろうね。いつもの私ならビビッて攻めに行けなかった。でもね師匠、私だって一度くらい、あんたに勝ちたいんだ!
走る勢いを乗せて師匠の方へ飛んで斬りかかる。
「…ちっ…」
師匠は舌打ちをしながらも避けずに受ける選択肢をとった。だけどそれは私からしたら悪手だぜ師匠。なんてったって私は…
「師匠その選択は正直結構やばいミスですよ!!!」
私の勢いと体重を乗せた大振りな一撃を師匠の剣に喰らわせる。私はリビングアーマー。鎧のバケモンだよ?普通の人間よりも力と重さはかなりある。素人だった私とはいえある程度剣術も整った今の私の一撃なら間違いなく師匠への衝撃ダメージはかなり出るはずだ。
師匠と私の剣がぶつかり合い小さい火花が散った。
師匠は一瞬よろめき、その顔には初めての焦りが浮かんでいた。
「お前…強くなったな。」
一度飛びのき、息を整える間もなく、私は再び攻撃の体勢を整えた。飛びのいたあとの師匠を見ると右手と足が少し震えているのが見えた。今なら入る
私はその瞬間を逃さず、左手を剣の柄に添えながら全力で突進し、突きを構えた。
「アキュラシーストライク!!!!」
入った!絶対に入った!!師匠の咄嗟防御ならよろけて確実に入れれる!!
「…よく…やったな」
次に私の視界に映ったのは両手を広げ防御すらせずに私の攻撃をまともに喰らい、胸から血を流す師匠があった。
「は…え…?」
私は驚愕し、言葉を失った。師匠が私の攻撃を受け止めず、ただ立ち尽くしている光景が信じられなかった。彼の胸からは赤い血が流れ出していた。
「ちょ、師匠、何をしているんですか!?なんで防御しなかったんですか!?」
師匠はかすかな笑みを浮かべながら、ゆっくりと膝をついた。彼の姿には、かつての圧倒的な存在感がいっさい感じられなくなっていた。
「…どうやら俺の負けみたいだな。俺の調子がまるでダメだったとはいえ…お前は強くなったな」
なんで?師匠??おかしいって…いくらよろけてから立ち直っていなかったとはいえあんな直線的な攻撃師匠が弾けないわけがなかったのに…
師匠は震える手で自分の胸にささった私の剣を掴み、深呼吸しながら口を開いた。
「…はぁ。いいかこの剣を引き抜こうなんて考えるなよ。あんな身体だどっちみちくたばる。それよりも…ゴフ…」
師匠のくちからは血が溢れ、もう助かりそうにない
「師匠!!」
私が急いで駆け寄ろうとすると、師匠はもう片方の手で私へ静止するように手を向けた。
「いいか…お前の一撃を防いだときに俺の手足は完全に痺れちまった。もう一回分の攻撃を防ぐ余裕もなかった。だがな、お前の本気の姿勢をみたときに俺はお前のことが輝いて見えちまった。あぁ…あんなまともな剣の振り方も知らねぇやつがイッパシの剣士になったなんてな…」
「師匠!!それ以上喋れば本当に死にますって!!お願いしますよ!!!」
必死になって師匠に叫ぶが師匠はもう動こうとしない。今の私には治療する道具を取りにいくということすら頭に入っていなかった。




