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痛む心とリグレット

 小学校の卒業式が目前となったある日、クリスは魔法の検査を受ける。

 何時もなら簡単に片付くはずの検査が今回に限り長引いた。

 なぜなら魔法使いの反応を示す結果が複数出たからでなる。

(ボクもそのうちのひとり……なんか複雑)

 クリスは小学校低学年の頃はいつか魔法を使えることを夢見ていた。

 その思いは中学年、高学年へと上がるにつれ消えていく。

(ボクはみんなの側。お姉ちゃんやお父さんと一緒。自分の力でやっていこう)

 魔法への思いを振り切った矢先、反応が出てクリスの胸中は複雑だった。


「おめでとう。クリス」

「ボクは……あーあ、お姉ちゃんと同じがよかったのに」

「私と?」

「そ。ボクも何でもできるお姉ちゃんみたいになれたらなって。背とかも」

「魔法使いになっても伸びる子はいるから。クリスだって中学で伸びるよ」

 姉の手がクリスの頭にポンと置かれ、軽くなでられる。

 中学ぐらいで追いつき追い越そうと思っていたクリスは複雑な顔をした。

(ボブ兄だって伸びたんだよね……肘がおけるほどの身長差は縮めたかったな)


 夜、両親が返ってくると事態はさらに複雑になった。

「ねえクリス、中学になったら家業を手伝う気はある?」

「ボクが?できるの?」

「簡単な業務に限り許可を得られればできるそうだよ。魔法も同様さ」

 母の言葉にクリスが質問すると父が答える。

 家族団欒(かぞくだんらん)の時間、いつもの風景、クリスはこれがずっと続くと思っていた。


「できるのならやるよ。何を手伝うの?」

 自分でも家族の役に立てることがある、クリスは喜び勇んで協力を申し出た。

「実は私たちが経営しているレーシングチームが解散しそうなの」

「はい?父さんたちのチームって魔法使いのチームだよね」

「そうだよ。結果を出せば大丈夫って確約は取れた」

 魔法を使ったカーレース。父さんたちはそのチームのひとつを経営している。

 運転は魔法使い、整備はみんなでというそれなりに人気なモータースポーツ。

「ドライバーをサポートする見習いを欲しかったところでね。どうだい?」

 チームが解散したらクリスたち一家は路頭に迷う。

 クリスにできることと言えば、首を縦に振ることだけだった。


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