前へ目次 次へ PR 95/100 きゅうじゅうご 鏡面上の青空を這う足取りは軽い 銀時計の針をめくる潮の味に時めく 左手の曖昧な手相に押し花の香り 退屈を吐き出す黄昏れた胃袋 街角で砕けたフルートの涙が響く 枯れ木に咲く受話器から漏れる秘密 錆びた鉄橋を渡る風が纏う冬のスーツ あなたの影を貫く光学式の紙飛行機 手紙を飲み込んだ鯨の声は、深海で反響する 空を突き抜ける傘の先には、星々が踊る 砂に書かれた詩は波によって再定義され ガラス製の眼球が捕らえた朝の静寂に心和ませる