ななじゅうきゅう
額の上が重たくなってきたら、集中の限界が近いと感じる
水を飲み、席を立ってトイレに行ってみるが、頭重感は思ったほどは軽減しない
ちょうど車に荷物を忘れて、駐車場まで取りに行った日があった
その日は雨が続いた後の快晴で、光が暖かくて気持ちが良かった
取りに行く前は億劫さを強く感じていたこともあり、意外な感覚だった
それから、なんとなく疲れを感じたら散歩をするようになった
意識はしていないが、だいたい14時から15時の間に足を運ぶ
なんとなくの行為が、日課に溶け込んでいった
その時間は生体リズムで眠たくなる時間に当たるらしく、疲労の波も押し寄せる
実際、歩いている時間は15分もない
しかし、頭を空っぽにして歩く時間には充実感があった
固まった体がほぐされ、頭にも血流が行き届いている
音楽は聞かないようにしているし、あまり何も考えないようにしている
ただ、日光を肌で感じ、木々の青さを、ぼんやりと視界に入れながら歩みを進める
この建物はなんだろう、いつも通勤時に通っているはずなのに
意味のない新たな発見に、何故か誇らしさを感じる
同じ場所、同じ物でも毎日同じであることはない
緩やかな変化や自分の偏った知覚を意識するようにしている
どんなものも当たり前に存在しているわけではないのだ
わかったような、わかっていないような言葉を呟き、石ころをそっと蹴った




