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なな
加虐の先に広がる海原に
道ずれ携え、船は漕ぎ出す
不安を映す歪んだ木目を
執拗にピックで刺す者は
船先の氷塊に気付かない
寒さを幾度となく経験しようと
一度その身を過ぎ去れば
不思議な程に足早に
忘却の渦へ飛び込んで
誰にも知らせず行方を晦ます
零れ落ちる光の粒を
取っ手は売ってを繰り返す
本当の価値も測らずに
見える範囲の安易な甘味を
喜ぶ姿の影絵は無価値
いつかは仕返しを受けるだろうと
ほくそ笑む私の足元は
既に膝まで浸水しており
信じた善は報われず
忌避した無能は生き延びる




