表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/100

ろくじゅうご

グラスに注がれるお酒は艶やかで色っぽい


液体でありながら滑らかで心があらわれる


舌触りもさることながら鼻腔を抜ける風味は味以上にあでやかだ


一緒に口にするチーズはその味を邪魔しないで絶えずお酒を立てている


そして、何よりのつまみになるのは友人との暖かい時間


くだらない昔話に子どものようにはしゃいでしまうのは理性より本能に近い


太古の昔に洞窟で焚火を囲んで過ごした原始の遺伝子に我々は逆らえない


大病を患った隣の友人は来年の集まりにはいないだろう


妻を亡くしたばかりの俺は何で笑えているのか不思議でならない


忘却や現実逃避もまた人間に許された能力の一つである


注がれた満杯のお酒が零れそうになる


慌てて口をグラスに添えてズズズと音を立てながら啜った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ