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ごじゅうよん
鴨肉を煮込むのか焼くのかの判断は祖母に任せたい
筋肉のビクつきを見つめる彼女は無表情で余計に痙攣した
枯れた溜池に寄付したい涙は無限にあると思う
これ見よがしに走り出したアイツの靴は左右でチグハグ
奇妙な模様の服が喝采を受けているあの光は異常
荒野に夕日は付き物だが私は昨日太陽を捨ててしまった
高速タイピングに音声入力が負けるうちは使用しまいと決めている
イヤホンのコードに音が流れていると思っていたのは糸電話のせい
自分の中にいる怪獣が火を噴かないのは残念でならない




