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よんじゅうに
好きだったものが嫌いになる時
胃の中に泥を流し込まれたように
唐突に不快感が重くのしかかる
あの頃を思い出そうと
綺麗な記憶を呼び起こしても
脳内に埋め込まれた嫌悪の経験が
それをあざ笑うかのように上塗りする
感情を律することは美徳のようであり
誤った認知へ誘われないように
注意深く思考を客観視することは
知的な活動であろう
ただそこに思いがあることは否定してはいけない
扱うことと存在に目を背けることは大きく異なる
あるはずのそれをないものにしようとすることは
身を引き裂くような自傷行為に他ならない
僕のこの感情を否定したいし
現実から逃げ出したい
ただこの感情を丁重にもてなしてみようと思う
自分の一部であることには変わりないのだから




