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よん
対岸の白い霧を消すために
振りかぶった右腕に
へばり付くのは黒い霧
手に持つ団扇も拝めない
睡蓮の紋に馬の鬣
手渡したのは何者か
足跡はいつまでも綻ばない
ただ揚々と鎮座する
いつの日にか土壌を掬い
彼の十字も救えれば
轟く雷もじきに止むだろう
透明で聡明に見える青空が
大嘘つきを匿う時
二度とは水面に上らぬ氷のように
虚構は構造の皮を被って
彼女の背中は翻る
風は子供の行方を示し、
月は小気味良く大人に寄り添う
馴れ合うつもりは更々ないが
いやに静かな狂った湖畔に
ふつふつと苛立ちを覚える




