38/100
さんじゅうはち
隣の席の彼女は目立つような子ではなかった
無難な服装に、違いの判らない一様な化粧
友人と話している姿は見たことないし
不思議と教室以外で彼女に会ったことがない
そんな彼女の横顔を僕は一目見た時から
美しいと思った
好意なんて幼稚な感情ではない
これは感傷に近い感動であった
昨日夢を見た
水中に潜り太陽の差し込む水面を見つめる彼女
溶け込んでわからないはずなのに涙を流しているように見えた
無数の泡が彼女を横目に浮上する
水中で涙を流し、差し込む光で輝く茶色い瞳
耳から顎の曲線はそれ以外に考えられないくらい絶妙だった
やはり、美しい
夢でもはっきり刻まれた彼女の横顔を
僕は忘れることはない




