24/100
にじゅうよん
これ食べてみるか、と差し出された肉まん
割った途端に湯気が溢れて眼鏡が曇る
作業着は泥に汚れて体は冷たくなっていた
一口一口噛む度に溢れる肉汁が舌に染み入る
胃の輪郭が分かるほど温もりが体内で広がっていくのがわかった
上司はコーヒーを一杯飲んで何も言わずに場を去った
ぶっきらぼうで、失敗を大声で攻め立てるような嫌な奴
だけど、さっき僕の眼鏡が曇った時にぼんやりと
髭オヤジの顔が笑っているように見えた
独り身だし別に良いかと思っていたが
今日は俺の33回目の誕生日だった