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にじゅうに
機械化した体躯で向上した機能
1000年前に至った不死の技術は
人々の退屈と浪費をいたずらに増大させた
そして、いかに生きるかに全力を投じる時代となった
不死でいられるにも関わらず、
納得できる死に時を探るようになっていた
膨大な知識はメモリー配布で全人類で共有され
身体能力も初めは金持ちだけの特権であったが
今は100円ショップで十分に強化できる時代
希望や欲望に従って人類は邁進し、
遂に平等な完成された世界は訪れたように思われた
それから、1000年が経過した時
流行は個性の最大化へ向かっていった
人々は遺伝を伸ばすことが幸せに繋がると思い直した
人工物はやめて、知識も共有しない
生まれたままを目指すようになった
2000年前への回顧ではない
それは彼らなりの進歩と捉えていた
結果的には、繰り返しの人類
答えはないから逡巡して迷走して困惑する
だがその円環も含めて設計されたマクロな永久機関なのだ