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にじゅういち
砕けた氷に辛子を塗れば
充血ひよこが寄ってきて
蠟燭が溶けて花開くように
やっとこさ涙を流して魅せた
解剖されてこその青い蛙から
取り出し並べた心臓は
自動で脈々と波打って
自信ありげに歩みを進める
秘められた野心に天晴
降りしきる刃の凹凸は狡猾で
銀杏切り、微塵切りと縦横無尽
夢を刻んで熱して固めて
バターのように塗りたくる
他に誰もいないから、皮が剥けるまで
重たい旗印を何度も振った
異形な模様、苦行の叫び
それでも瞬く間に塗り重ねられて
埋もれてしまった無数の糾弾
異常をも包括するは莫大な質量
脳が付いて行けるはずもなく