18/100
じゅうはち
難攻不落の子守歌
朽ちてゆく白桃の甘露
巧妙な針は幾何
思いの裏に劣等感
万華鏡に閉鎖する嗜好
嘲笑う小太りの海豹
鏡の厚みは計り知れず
食われる魚の皮算用
下劣な思考迷路
脱出したとて孤独
絶壁滑る艶めかし
紺青の別れは美麗
のうのうと滔々にして
嬉々として爛々
小細工で不細工な
表面を撫でるだけの屑箱
赤に潜む黒の恍惚
独占と排斥の彼方
途方に暮れた蟷螂の舌
混合した不純物の垢
君の唇の舌の皮は
僕の頭の渦の素か
誰かこの曇りを晴らしてくれ